6月の刊行予定です。

304ページ
上製
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旅と伝説を詠んだ
異色の歌人虫麻呂は
歌の奥に何を見極めようとしたのか
万葉集に36首を残す男に迫るため、律令官人組織や歴史的背景の視点を導入する。中でも直属の上司である藤原宇合を鏡に用いて、虫麻呂の全体像を浮かび上がらせ、人から作品を見直す。
官人として異郷を巡るなか、出遇った風景・風俗・伝承をどう歌として再創造したのか。作歌の時と場や動機を確かめ、虫麻呂歌の秘密の中核を明らかにする。
虫麻呂のことがわかる究極の一冊!
目次
はしがき
序章 高橋虫麻呂の軌跡―官人と歌人のはざまに在って
一章 活動前期・常陸在駐時―東国で見出したもの
㈠ 常陸国の大掾として
㈡ 按察使の典として
㈢ 『常陸国風土記』への関与の有無
二章 活動後期・帰京後―人間へのまなざし
㈠ 造難波宮司の主典として
㈡ 京官(式部省の大録または宇合家の家令)として
終章 虫麻呂の生と歌作
(付)関係参照事項〔高橋虫麻呂の全作品 一覧/虫麻呂の一生 素描/虫麻呂の足跡と作歌/藤原宇合 略年譜/藤原氏系図〕
あとがき
余滴 虫麻呂活躍期の年齢と宇合の享年
余滴 虫麻呂歌集の行方
余滴 たびたびの筑波山登頂
余滴 珠名の特異な容姿
余滴 虫麻呂作品と水
余滴 虫麻呂長歌の対句表現
余滴 虫麻呂の女性志向
余滴 「詠める歌」
余滴 長歌の額縁型構造
余滴 家
余滴 虫麻呂歌の枕詞
余滴 虫麻呂歌の花
余滴 憶良歌との接点
前書きなど
【極言すれば、虫麻呂の作品はそのほとんどが旅に関する歌と伝説をめぐる歌で占められていることから、よく漂泊の詩人とか伝説歌人と呼ばれるのだが、別に当てのない旅をさまよったわけではないし、伝承の受け売りに興じたわけでもない。それらは偶然に成ったのではなく、それなりの必然性があったはずである。……その内実を探り求めたいというのがかねてからの念願である。もう少し言うならば、官人としての旅で見聞したものを歌人の心でどう詠じたかを究めたいのである。】「はしがき」より