日時 2018年5月5日(土) 午後2時より5時まで
場所 大東文化会館 K−302教室
(東武東上線東武練馬駅下車 徒歩5分)
地図:http://www.daito.ac.jp/file/block_49513_01.pdf
発表 川満 早葵氏
題目 『虫めづる姫君』にみる「虫」が開くもの
要旨
『堤中納言物語』の一篇『虫めづる姫君』は、冒頭から「蝶めづる姫君」と「虫めづる姫君」を対置して語り出す。ゆえに先行論でも、「蝶」にならない「虫」、すなわち規範的な成長を拒否する「少女」として「自己完結」した姫君像が論じられてきた。しかし姫君は、「かは虫の蝶とはなるなり。」と、「蝶」/「虫」の対置を超えたところで「蝶」と「虫」の連続性を見ている。さらに垣間見に訪れる右馬の佐の行為は、「虫」を「まもり」つづけた「末」を志向する点で、まさに姫君の「虫めづる」行為と重なっている。姫君の行為や論理は「自己完結」などしておらず、確かに他者へと開かれているだろう。またこの垣間見場面は、『源氏物語』若紫巻と表現や構成の類似が見られ、引用・パロディの観点から論じられている。本発表ではそれらをふまえながら、『虫めづる姫君』を開かれた物語として捉え直すことで、この物語が『源氏物語』に対する語り論ともなる可能性を見出したい。
司会 今井 俊哉氏
【事務局より】
『古代文学』57号 合評会のお知らせ
下記日程で『古代文学』57号掲載の各論文の合評会を行ないます。ふるってご参加下さい。
日時:5月6日(日) 午後1時より午後6時まで
場所:大東文化会館 K-302教室 (東武東上線東武練馬駅下車 徒歩5分)
◎2018年度の役員分掌
以下のように決定いたしました。
事 務 局:松田浩
会 計 :太田真理
編 集 :山口敦史・山田純・岡部隆志・三品泰子
例 会 :佐竹美穂・清水明美・保坂秀子
叢 書 :吉田修作
H P :山本大介
セミナー:飯島奨・井上隼人・大塚千紗子・鈴木雅裕・服部剣仁矢・山崎健太
◎例会通知eメールサービスのお知らせ
本会では、メール会員をご希望の方に、例会案内をメールにてお送りしております。メール会員をご希望の方は、上記E-Mailアドレス宛にメールにてご連絡ください。なお、メールは「古代文学会ホームページ」のお問合せフォームからも送信出来ます。ご協力をお願いいたします。
◎委員会の開催
例会終了後に委員会を行います。委員の方々はお集まりください。
◎2018年度例会発表者の募集
2018年度9月からの例会発表者を募集します。ご希望の方は、題目及び200字程度の要旨を、発表予定の3ヶ月前(該当月の委員会の1週間前*)までに例会委員、または事務局までお申し込みください。なお、採否は例会委員にご一任ください。*委員会は8月を除く毎月第一土曜日開催
◎次回例会発表の予定
6月2日(土) 長谷川豊輝氏
◎2018年度シンポジウム・夏期セミナーのご案内
テーマ:「テキストを成り立たせる世界—八世紀のテキストから—」
【趣旨説明】 八世紀は史書・歌集・仏書など様々なテキストが編纂され、具体的に現れてくる時代である。従来これらのテキストはそれぞれに一つの完結した世界を形づくるものとして捉えられてきた。しかし、テキストのありようをそのような自己完結的なものとすることができるだろうか。無論、編纂意図や目的を持たないまま作られるテキストは存在しない。ただテキストは織物であることを踏まえるならば、編者の意図を超えて否応なく織り込まれてしまうものがあるはずである。織り込まれたもの一つ一つがそれぞれに原コンテクストと結びついている。そこには個々の原コンテクストを見出す視座があり、それぞれの視座もまた相互に関わり合いながらテキストを成り立たせている。そうした多角的な視座によって成り立つ世界を、テキストを通して解き明かしてみよう。
○シンポジウム
日時:6月30日(土)13:00〜17:30
会場:共立女子大学 神田一ツ橋キャンパス
パネリスト:呉哲男氏・津田博幸氏・冨樫進氏
○夏期セミナー
日時:8月22日(水)〜8月24日(金)
会場:箱根千條旅館
発表者:猪股ときわ氏・佐竹美穂氏・鈴木雅裕氏・松田浩氏