3月中旬の刊行予定です。
佐藤泰正先生追悼論集 語り紡ぐべきもの 〈文学の力〉とは何か
梅光学院大学公開講座論集65
中野新治編
ISBN978-4-305-60266-4 C0395
定価:本体1,600円(税別)
四六判・並製・カバー装・248頁
「全身文学者」佐藤泰正氏が生涯にわたり問い続けた
〈文学の力〉を後世に伝えるために─
[執筆]山城むつみ・奥野政元・宮坂覺・加藤典洋・浅野洋・山根道公・下館和巳・田中俊廣・北川透・中野新治
【 佐藤泰正先生は、田中俊廣氏の言葉を借りれば〈全身文学者〉でありました(「キリスト教文学」第35号あとがき)。若き日、詩人であった先生は、研究者として世に出られましたが、その歩みは研究者の枠を超えて熱気あふれるものでした。先生は研究対象たる文学者たちに化身したようにその世界の核心を語り、また、後に続く世代にふいごのように御自身の熱を送られました。梅光学院大学の教え子たちはもちろんのこと、学内外での公開講座に集う方々の心の中にも〈文学の炎〉は点火されて行きました。(中略)一つ一つの論考を味読していただくことで、佐藤先生がその生涯にわたって伝えようとされたメッセージ、「〈文学の力〉とは何か」を受け止めて下されば幸いです。…中野新治「あとがき」より】
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■編者プロフィール
中野新治(なかの・しんじ)
1947年生。梅光学院大学特任教授。著書に『宮沢賢治・童話の読解』(翰林書房)、共著に『近代日本と北村透谷』(翰林書房)、『キリスト教文学を読む人のために』(世界思想社)など。
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【目次】
山城むつみ●詩とその詩を切断する詩と
─佐藤泰正氏との対話をめぐる回想的断片
奥野政元●漱石の力
宮坂 覺●漱石が帝大生芥川に託した「ああいふもの」とは
─「鼻」あるいは「羅生門」「舞踏会」「六の宮の姫君」
などの多層的〈読み〉に触れつつ─
加藤典洋●矛盾と明るさ
─文学、このわけのわからないもの
浅野 洋●「梯子」はどこから来たか
─『西方の人』論争を端緒として─
山根道公●遠藤周作と佐藤泰正
─闘う作家とその伴走者
下館和巳●私たちの『オセロ』を探して
─シェイクスピア・カンパニーの冒険─
田中俊廣●長崎の原爆詩歌 その体験と思想
─山田かん、竹山広、松尾あつゆきのことばの力
北川 透●底なき三角形
─〈文学の力〉とは何か、と問われて
中野新治●宮沢賢治の〈tropical war song〉
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■執筆者プロフィール(掲載順)
山城むつみ(やましろ ・むつみ)
1960年生。文芸評論家。著書に『文学のプログラム』(講談社)、『ドストエフスキー』(講談社)、『小林秀雄とその戦争の時』(新潮社)など。
奥野政元(おくの・まさもと)
1945年生。活水学院院長。著書に『中島敦論考』(桜楓社)、『芥川龍之介論』(翰林書房)など。
宮坂 覺(みやさか・さとる)
1944年生。フェリス女学院大学名誉教授(前学長)。編著書に 『芥川龍之介 ─人と作品』(翰林書房)、『芥川龍之介と切支丹物 多声・交差・越境』(同)、監修編書に『芥川龍之介作品論集成』全七巻(翰林書房)、『芥川龍之介全集総索引 付年譜』(岩波書店)など。
加藤典洋(かとう・のりひろ)
1948年生。文芸評論家・早稲田大学名誉教授。著書に『戦後的思考』(講談社)、『言葉の降る日』(岩波書店)、『敗者の想像力』(集英社新書)など。
浅野 洋(あさの・よう)
1947年生。近畿大学名誉教授。著者に『小説の〈顔〉』(翰林書房)、編著・共著に『芥川龍之介を学ぶ人のために』(世界思想社)、『二十世紀の旗手・太宰治』(和泉書院)、『森鷗外を学ぶ人のために』(世界思想社)、『太宰治はがき抄』(翰林書房)など。
山根道公(やまね・みちひろ)
1960年生。ノートルダム清心女子大学副学長。著書に『遠藤周作文学全集』(全15巻、新潮社)全巻解題担当、『遠藤周作 その人生と『沈黙』の真実』(朝文社)、『遠藤周作『深い河』を読む─マザー・テレサ、宮沢賢治と響きあう世界』(同)など。
下館和巳(しもだて・かずみ)
1955年生。東北学院大学教授。シェイクスピア・カンパニー主宰・演出家。著書に『東北のジュリエット』(河北新書出版センター)、『ハムレット。東北に立つ』(国書刊行会)、『東北シェイクスピア脚本集全5巻』(ココ出版)など。
田中俊廣(たなか・としひろ)
1949年生。詩人。活水女子大学教授(特別専任)。著書に『痛き夢の行方─ 伊東静雄論』(日本図書センター)、『ことばの遠近法《文学/時代/風土》』(弦書房)、『感性の絵巻・仲町貞子論─作品とその生涯』(編著、長崎新聞社新書)、詩集に『時の波打際』(思潮社)、その他合唱曲の詩「海坂」など。
北川 透(きたがわ・とおる)
1935年生。梅光学院大学名誉教授。著者に『北村透谷・試論』(全三巻、冬樹社)、『萩原朔太郎〈詩の原理〉論』(筑摩書房)、『詩的レトリック入門』(思湖社)、『谷川俊太郎の世界』(同)、『中原中也論集成』(同)など。