古代文学会3月例会(第698回)(2018年3月3日(土)午後2時〜、共立女子大学本館302教室)

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古代文学会3月例会(第698回)ご案内
日時 2018年3月3日(土)(第1土曜日) 午後2時より5時まで
場所 共立女子大学本館302教室
 *教室が通常と異なります。ご注意ください。
発表 奥田 和広氏
題目 菅原道真『菅家文草』巻第四・二七九番「懺悔会作三百八言」について
要旨  
 菅原道真の讃岐時代の作である「懺悔会作三百八言」(『菅家文草』巻第四・二七九)を取り上げる。道真については、「題材・修辞を中国の詩文に仰ぎつつ単なる模倣引用の域を脱し、主体的な自己表現の方法として独自の格調高い風体を樹立した」(秋山虔、日本古典文学大辞典)などの「詩人」としての評価があり、これに対して近年では、個の表出とはいえない宮廷詩宴における献詩をおこなう「詩臣」としての面から捉え直しがなされてきている(滝川幸司『菅原道真論』、他)。この文脈では、讃岐時代は「詩臣」の裏返しとして宮廷詩宴から疎外された不遇の時代として位置づけられることが多いが、『菅家文草』巻第三・四には宮廷詩宴への思いにとどまらない讃岐国守としての多様な作品が収められており、そこからの道真評価の更新が課題とされている。
 「懺悔会作三百八言」は仁和四年(八八八)十二月に讃岐国庁で修された仏名懺悔会に関連した作である。一般的な詩語とは異なる仏教語彙、律令語彙が多く含まれ、「民衆に対して勧化することを目的とした唱導誘俗の作品」(岩波古典大系・川口久雄)とも評されているが、太政官符の継ぎはぎのように見える詩の表現は、民衆の唱導誘俗だけでは説明できないだろう。以上をふまえ、これまでの道真や当該詩の評価をどう更新することができるのか、詩の読解と再評価を試みる。
司会 津田博幸 氏
【事務局より】
◎本会では、メール会員をご希望の方に、例会案内をメールにてお送りしております。メール会員をご希望の方は、上記E-Mailアドレス宛にメールにてご連絡ください。なお、メールは「古代文学会ホームページ」のお問合せフォームからも送信出来ます。ご協力をお願いいたします。
◎例会終了後に委員会を行います。委員の方々はお集まりください。
◎2018年度例会発表者の募集
2018年度9月からの例会発表者を募集します。ご希望の方は、題目及び200字程度の要旨を、発表予定の3ヶ月前(該当月の委員会の1週間前)までに例会委員、または事務局までお申し込みください。なお、採否は例会委員にご一任ください。