曽倉岑氏(青山学院大学名誉教授)が2018年1月15日に逝去されました。
享年83歳。
葬儀は近親者と少数の友人たちとで執り行われました。喪主は妻、良江氏。
1934年、神奈川県に生まれる。1958年、東京大学文学部国語国文学科卒業。1963年、東京大学大学院博士課程修了。
曽倉岑氏は喉頭がんを患い、ついに声帯を切除し声を失いながらも、食道発声で大学の講義・演習をこなし、研究会でも活発に発言を続けていました。しかし、何度も手術をくり返し、数年前から体調を崩していました。年明けから痰の治療に入院していて、1月15日、病院で静かに息を引き取られました。
主な著書に、鑑賞日本の古典1『古事記・風土記・日本霊異記』(尚学図書・金井清一氏と共著)、日本の文学古典編『万葉集一』(ほるぷ出版)、『万葉集全注巻第十三』(有斐閣)。論文に「万葉集巻一・巻二における人麻呂歌の異伝―詞句の比較を通して―」(『国語と国文学』40-8、1963年8月)、「大津皇子の流涕御作歌―「雲隠る」をめぐって―」(『五味智英先生追悼 上代文学論叢』笠間書院、1984年3月)、「「天地の神」考」(『萬葉集研究』29集、2007年12月)など。
弊社では、『論集上代文学』シリーズ、『校注 古代説話』ほか、大変お世話になりました。
ご冥福をお祈りいたします。