2006年3月24日

第22回・西鶴研究会(2006年3月24日(金)午後2時~6時、青山学院大学 総合研究ビルディング 10階 第18会議室)

◇シンポジウム 西鶴作品の挿絵に関する総合的研究

 本年6月刊行予定の『西鶴と浮世草子 研究』(創刊号、笠間書院)にCD版「西鶴の浮世草子全挿絵(付解説)」が添付される予定である。この解説に西鶴研究会の諸氏が参加しているが、その研究・執筆の途上に おいて多くの問題点が浮上している模様である。そこで、その解説を担当された方々を中心にしたシンポジウムを行ってみたい。そして、そのことによって西鶴 の挿絵が持つ魅力や問題点を総合的に検討してみたい。スタイルとしては、解説を担当した方の中から45人(司会並びに発表者は未定)にそれぞれ10分~15分程度の問題提起をしていただき、それをもとにして後に全体の討論に入る。発表者以外の方々からも積極的な発言を期待したい。なお当日、上記CDのデモ版をプロジェクターを使って披露する予定である。(染谷記)

◇西鶴における「目利き」について       

筑波大学   

石塚 修

 『好色一代男』六の七「全盛歌書羽織」で世之介が身につけたのが古筆をはりまぜた紙子羽織である。しかし、平安の古筆というものが町人の間で目にすることは困難であったろうと考えたとき、こうした場面描写の理解はどの程度可能であったのだろうかという疑問がわく。
  増田孝氏によれば、古筆了佐(1572-1662)による慶安4年刊行の『御手鑑』(慶安手鑑)の存在から、これ以降「庶民の文化的遊び」として「古筆蒐集」が定着していったことが窺えるという。(『書の真贋を推理する』東京堂 2004
 しかしながら、『日本永代蔵』六の二「見立て養子が利発」に代表される町人としての芸能・素養の一連の紹介などには、この「古筆目利き」は含まれていない。
  町人たちにとっての「目利き」は、文化的遊びの領域とはいえ、より商売の実利と深く関わっている素養とされていた可能性について考えたい。

◇合評、染谷智幸著『西鶴小説論-対照的構造と〈東アジア〉への視界』(翰林書房)

  前回、合評会というスタイルで広嶋進氏のご著書『西鶴探究』を取り上げた。それは、 紙数等の制約が多い学会誌・新聞の書評欄では言及しにくい様々な問題を取り上げて、著者の提示した問題点を多角的に検討してみたかったからであるが、この 合評会というスタイルは概ね好評だったようである。そこで第二弾として、今回は上記の該書を取り上げたい。まず私(染谷)から20分ほど補足説明をし、後に自由討論に入る。
 会員諸氏の皆様には、いささか図体の大きな代物ゆえ恐縮ですが、該書の問題点抽出および整理など、事前にお願いできればと思います。(染谷記)

司会は前回発表者の予定です