文学研究の窓をあける 物語・説話・軍記・和歌

8月の刊行予定です。

石井 正己()錦 仁()
発行:笠間書院
A5判 
292ページ
並製
価格 2,300円+税
ISBN978-4-305-70864-9
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紹介

日本の古典文学の新たな学び方

文学の研究が現代の社会から離れてきた。
文学を研究するとは。どういうことなのか。
7人の研究者が真剣に討論した、未来へ窓をあける提言に満ちた書。

■執筆者
石井正己/小峯和明/松尾葦江/錦仁/金容儀/李市埈/セリンジャー・ワイジャンティ
■編集協力者
出口久徳/中村勝/船越亮佑/安松拓真

目次

この本のはじめに◉石井正己

第一部 講演録
[開催趣旨]
洪水神話と『源氏物語』◉石井正己
一 文学研究を再検討しなければならない理由
二 津波の知識──「高潮といふものになむ、取りあへず人損はるる」
三 終末観と須磨脱出──「かくしつつ世は尽きぬべきにや」
四 洪水神話の痕跡と古典文学の伝統
東アジア文学研究の未来に向けて─『吉備大臣入唐絵巻』を中心に─◉小峯和明
一 東アジアの文学圏
二 『吉備大臣入唐絵巻』をめぐる
三 宝誌の観音化身
四 東アジアへの視界
古態論のさきには─平家物語研究をひらくⅡ─◉松尾葦江
一 古態論とは何か
二 平家物語には研究者の語る「伝説」がいくつもある
三 教育・読者現場との乖離を埋めるには
四 ゆれる物語を読むということ
和歌の帝国─菅江真澄・林子平・古川古松軒─◉錦 仁
一 和歌の果たした役割
二 和歌研究の資料を発掘・発見する
三 和歌と日本──林子平、古川古松軒も入れて
四 最後に──「中今」の日本

第二部 海外から見る日本文学
東アジア説話研究における『遺老説伝』◉金容儀
一 東アジア説話における『遺老説伝』
二 御嶽の由来にまつわる説話
三 沖縄説話における「夜来者」説話の特徴
四 王権説話としての沖縄の羽衣説話
五 東アジア説話の比較研究に向けて
韓国における日本古典文学の翻訳◉李市埈
一 はじめに
二 韓国語訳された作品
三 時期別の特徴
四 おわりに
『平家物語』に見られる馬の文学的象徴性◉セリンジャー・ワイジャンティ
一 はじめに
二 論文の狙いと見取り図
三 争乱の引き金となった名馬「木の下」
四 夜の「無法の世界」で愛馬を奪い返す頼信・頼義父子
五 名馬「いけずき」の神話的暴力性
六 「殿下乗合」事件─下馬せぬ無礼事件が象徴する「世の乱れ」
七 終わりに

第三部 緊急共同討議
文学研究に未来はあるか◉小峯和明/松尾葦江/錦仁/石井正巳(司会)
一 東日本大震災後の状況と日本文学研究のあり方
二 漢字・漢文文化圏におけるメディアとしての説話
三 平家物語研究をめぐる四つの最新課題
四 和歌によって結ばれた国・日本
五 文字の文化と声の文化を再認識する必要性
六 今、古典文学を研究すること、教育すること
資料1 石井正己 震災と古典文学
資料2 小峯和明 説話という文芸
資料3 松尾葦江 文学研究の「再構築」─回顧談から(平家物語研究の最新課題に至る)─
資料4 錦 仁 和歌の研究から日本の研究へ─点から線へ、線から面へ─

この本をまとめて◉錦仁
著者紹介・編集協力者紹介

著者プロフィール

石井 正己(イシイ マサミ)(編)

東京学芸大学教授、一橋大学大学院連携教授、柳田國男・松岡家記念館顧問、韓国比較民俗学会顧問。日本文学・民俗学専攻。
最近の単著に『100de名著ブックス 柳田国男 遠野物語』(NHK出版)、『ビジュアル版 日本の昔話百科』(河出書房新社)、『昔話の読み方伝え方を考える』(三弥井書店)、編著に『博物館という装置』(勉誠出版)、『昔話を語り継ぎたい人に』(三弥井書店)、『現代に生きる妖怪たち』(三弥井書店)、『外国人の発見した日本』(勉誠出版)がある。

錦 仁(ニシキ ヒトシ)(編)

新潟大学名誉教授・フェロー。
主な著書に『中世和歌の研究』(桜楓社)、『浮遊する小野小町』(笠間書院)、『小町伝説の誕生』(角川選書)、『なぜ人は和歌を詠むのかー菅江真澄の旅と地誌ー』(笠間書院)、『宣教師 堀秀成ーだれも書かなかった明治ー』(三弥井書店)など。編著に『中世詩歌の本質と連関』(竹林舎)など。

上記内容は本書刊行時のものです。