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2017年12月 8日

 記事のカテゴリー : 新刊案内

●永井和子『幻想の平安文学』(笠間書院)

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1月上旬の刊行予定です。

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永井和子『幻想の平安文学』(笠間書院)
ISBN978-4-305-70855-7 C0095
A5判・上製・カバー装・520頁
定価:本体14000円(税別)

物語が抱える「幻想」とどのように向きあうか。
作者名が明記される漢詩文や歌と異なり、物語は、作者とは別に設定された「語り手」が語ることが建前の、現実とは切り離された虚構的存在である。「作者」の存在そのものは直接には見えてこない。いわば物語自体が「幻想」を抱えている。また一方、老人を語り手に設定することで叙述そのものが相対化されて幻想は深まり、物語は自在性を獲得した。
物語と作者、老者の語りを主題に、枕草子・源氏物語・寝覚物語を読み解いてきた著者の集大成!

【嘗て『源氏物語と老い』(笠間書院 1995・5 笠間叢書284)と題する一書を纒めたことがある。或る意味で本書はその延長線上に在るかもしれない。やはり多くを、「老い」という主題に負っているからである。...『枕草子』は多少趣きが異なるが、本書に取り上げた『源氏物語』『寝覚物語』もこの例として位置づけられよう。「物語」というものは概ね老者の語りという体裁をとることなど、一層その観が強い。また現実に手に取る事ができるテキストからすればほとんどが原著ではなく幾度もの書写を重ねたものであるから、これも言ってみれば非在である。当たり前のことながらこうした幻想ともいうべき方法の内部に、いかに力強い生命が躍動しているか、を問うたのが此の書名のささやかな所以である。】......「あとがき」より

●本書の試し読みはこちら
http://hanmoto4.tameshiyo.me/9784305708557

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■著者紹介

永井和子(ながい・かずこ)

1934(昭和9)年、東京に生まれる。1957(昭和32)年、お茶の水女子大学文教育学部文学科卒業。1960(昭和35)年、学習院大学大学院(修士課程)修了。現在、学習院女子大学名誉教授。
主要編著書に『寝覚物語の研究』(笠間書院・1968年)、『日本古典文学全集 枕草子』(小学館・1974年・共著)、『完訳日本の古典 枕草子』全二巻(同・1984年・共著)、『続 寝覚物語の研究』(笠間書院・1990年)、『源氏物語と老い』(同・1995年)、『新編日本古典文学全集 枕草子』(小学館・1997年・共著)、『源氏董草』(笠間書院・1999年・編)、『源氏物語の鑑賞と基礎知識 横笛・鈴虫』(至文堂・2002年・編)、『杜と櫻並木の蔭で一学習院での歳月 高橋新太郎』(笠間書院・2004年・共編)、『源氏物語へ 源氏物語から〔中古文学研究24の証言〕』(笠間書院・2007年・編)、『笠間文庫 原文&現代語訳シリーズ 枕草子[能因本]』(笠間書院・2008年)、『笠間文庫 原文&現代語訳シリーズ 伊勢物語』(笠間書院・2008年)、『日なたと日かげ 永井随想集』(笠間書院・2018年)など。

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■ご予約・ご注文はこちら

○全国の書店でご予約・ご注文出来ます。お近くの書店にご注文下さい。

○笠間書院から直接購入することも可能です。笠間書院 Web Shop[クレジット決済]。ネット書店での購入をご希望の場合もこちらをご覧下さい。
http://shop.kasamashoin.jp/bd/isbn/9784305708557/

○公費・郵便振替でのご購入の場合
直接小社まで、メール info@kasamashoin.co.jp または下記のフォームで、購入希望としてご連絡ください(書名・冊数・お名前・ご住所・電話番号を明記してください)。
http://kasamashoin.jp/mailform.html

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【目次】

幻想の平安文学──序に代えて

Ⅰ 枕草子
1 枕草子の跋文──「書きつく」という行為をめぐって
2 動態としての枕草子──本文と作者と
3 清少納言──基点としての「宮にはじめてまゐりたるころ」
4 枕草子──今後への課題
5 枕草子の〈終わり〉の覚え書き──日記的章段の末尾

Ⅱ 源氏物語
1 声をあげる老者たち──源氏物語をひらくもの
2 末摘花覚え書き──異文化の体現者として
3 浮舟──見られたものとしての変容
4 源氏物語の愛と死
5 「八の宮物語」としての宇治十帖
6 源氏物語の「齢」覚え書き──「過ぐる齢にそへて」の周辺
7 源氏物語の年齢意識──光源氏四十賀の現実性
8 「問はず語り」の場としての源氏物語──非礼なる伝達
9 「柱」のある風景──源氏物語・枕草子における柱に寄る人

Ⅲ 寝覚物語
1 寝覚人物小考──原本・中村本の対比による
2 宇治十帖と寝覚物語──作者と読者の問題
3 夜の寝覚
4 寝覚物語の方法と表現──「偏った物語」として
5 心内語論──心情表現の深化
6 山里の女としての中の君
7 寝覚物語の時間──物語内部における「昔」の形成
8 中の君──非現実と現実とのあいだ
9 夜の寝覚の恋──女主人公は何を恋うたか
10 夜の寝覚の研究状況──未知の物語として
11 女主人公という選択──強い中の君の出発

Ⅳ 物語と作者
1 「鼻」を茹でる──今昔物語と芥川龍之介
2 六条斎院物語歌合──物語と作者の関係
3 物語作品と作者──「作者不明」についての覚え書き
4 「紅梅文庫」覚え書き──目録を中心に

Ⅴ 書評・紹介
鈴木一雄校注 新潮日本古典集成『狭衣物語』上・下
須山名保子編著『和泉式部集(正続)用語修辞総索引』
小嶋菜温子編『王朝の性と身体──逸脱する物語』
秋山虔編『王朝語辞典』
小嶋菜温子著『源氏物語の性と生誕』
後藤祥子他編著『はじめて学ぶ 日本女性文学史[古典編]』
秋山虔著『古典をどう読むか』
河添房江著『源氏物語時空論』
研究紹介 吉岡曠著「源氏物語の遠近法」
自著紹介 永井和子著『源氏物語と老い』

初出一覧
あとがき


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