古代文学会4月例会(第688回)(2017年4月8日(土)、共立女子大学)

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古代文学会4月例会(第688回)ご案内
日時 2017年4月8日(土) 午後2時より5時まで
場所 共立女子大学 本館823教室
発表 山本 大介 氏
題目 「夢」の如き大蛇との「婚」–『日本霊異記』中巻第四十一縁–
要旨
 『日本霊異記』中巻第四十一縁は、大蛇と交わった「富める家」の「女人」が、薬の力によって大蛇と引き離され一命をとりとめるものの、再び蛇と交わる死にいたる話である。本縁では、「女人」と大蛇との交わりは「先の悪しき契」「愛欲」によるものと語られる。
 仏法において、畜生にあたる蛇との交わりは戒律において違犯にあたることはいうまでもない。その一方で、蛇との交わりは神と人間との神婚を想起させる。ならば、本縁は大蛇と「女人」との交わりを悪因悪報としながらも、それを説くに留まらない語りの可能性を孕んでいるのではないか。
 以上の問題意識のもと、本発表では、「女人」と蛇との交わりの語り、特に蛇と交わった「女人」が昏睡状態にあった自分を「わが意夢の如し。今醒めて本の如し」と述懐する言葉を着目する。菩薩行における夢をめぐる知との関係の検討を通して、大蛇と「女人」との交感の背後に超自然的な存在との邂逅および回心を想起させる叙述の様相を考察する。加えて、回心することがなかった「女人」に「先の悪しき契」「愛欲」を見出す知との関係との考察を通じて、法において禁じられた出来事を「奇事」として語る思考の一端に迫る。
司会 津田 博幸 氏