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2015年11月12日

 記事のカテゴリー : 新刊案内

●田嶋一夫『中世往生伝と説話の視界』(笠間書院)

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12月上旬の刊行予定です。

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田嶋一夫『中世往生伝と説話の視界』(笠間書院)

ISBN978-4-305-70788-8 C0091
菊判・上製・カバー装・674頁
定価:本体12,000円(税別)

伸びやかに積み重ねられた
五〇年にわたる研究の集大成

散逸した「中世往生伝」の実像を
鮮やかに浮かび上がらせた著者の代表的研究をはじめ、
神道集・中世説話・ちりめん本とテーマごと36本の論考と、
研究・教育への思いが伝わる15本のエッセイを収録。

【田嶋さんは、庶民と貴族を対立させてとらえない。人間という普遍の相において観察し、そして認識する。また、中央と地方という研究者の陥りやすい相対的な物の見方をしない。それは優劣の判断を誘い、片方を無意識のうちに切り捨ててしまう。そうはならずに、どちらをも考察の投網にとらえて、作品が生まれるダイナミズムを日本文化の深層構造を通して把握する。民俗学にも似た発想を底に沈めて、文学作品のまっとうな研究に立ち向かう。......錦 仁「序文」より

総じて、著者の研究は人柄に応じて誠実であり、真摯に対象と向き合い、地道に積み上げていく方向性で一貫している。研究史の記述が多いのもその表れであり、研究対象とその方法の枠組み作りにきわめて意識的である。とりわけ何故研究するのか、研究とは何かを常に問いかけ続けてきた足跡がそのまま論考に結実化していて、若い研究者への今後の道行きを照らし出しているといえるだろう。......小峯和明「解説」より】

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【著者略歴】

田嶋一夫(たじまかずお)

昭和16年(1941)群馬県生まれ。昭和47年(1972)早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了(単位取得)。同年国文学研究資料館助手。昭和50年(1975)同助教授。この間情報処理室長、第一資料室長を兼務。昭和62年(1987)いわき明星大学人文学部日本文学科教授(2005年、表現文化学科に改組)。平成24年(2012)定年退職。
主な著書に、『説話文学Ⅰ(古代編)』『説話文学Ⅱ(中世編)』(共著、双文社、1981年)、『室町物語集』上(新日本古典文学大系54、共著、岩波書店、1989年)、『最新JIS漢字字典』(監修、講談社、1990年)、『室町物語集』下(新日本古典文学大系55、共著、岩波書店、1992年)、『続古事談』(共編、おうふう、2002年)、『いわき明星大学和古書目録』(共著、いわき明星大学、2004年)など。

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■ご予約・ご注文は版元ドットコムでも
http://www.hanmoto.com/bd/isbn/978-4-305-70788-8
または、直接小社まで、メールで info@kasamashoin.co.jp ご連絡いただいても構いません。またはこちらのフォームで、購入希望としてご連絡ください(書名・冊数・お名前・ご住所・電話番号を明記してください)。
http://kasamashoin.jp/mailform.html

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【目次】

序文─田嶋さんの心......錦 仁

Ⅰ 中世往生伝の視界

1 中世往生伝
2 往生伝
3 中世往生伝研究─往生伝の諸相と作品構造─
4 往生伝の世界─人は死後に何を望んできたか─
5 中世往生伝をめぐる諸問題─『高野山往生伝』の編者如寂を中心に─
6 『高野山往生伝』の編者如寂をめぐって─日野資長説の可能性─
7 『三井往生伝』編者考─昇蓮と法然教団のかかわりを中心として─
8 『三国往生伝』考─『普通唱導集』内の位置─
9 『一言芳談』考─その基礎的性格についての覚書─
10 『一言芳談』 求道の光

Ⅱ 神道集と神明説話

1 本地物の世界
2 本地物成立論─『神道集』「熊野権現事」の構成と形式─
3 『神道集』論稿─研究史の展望─
4 『神道集』の評価について─その教理的側面からの一考察─
5 『神道集』の世界─在地性についての一考察─
6 『神道集』研究史
7 『山王利生記』成立考

Ⅲ 中世の説話と歴史叙述

1 〈日本〉像の再検討─〈東北〉を視座に─
2 中世における説話論証
3 説話文学─仏教の庶民化と地方化
4 『イソポノハブラス』─イソップ伝一説話の分析から─
5 御伽草子類の表現
6 御伽草子研究史 明治以降~昭和二〇年
7 『猿鹿懺悔物語』について─信長の叡山焼討と文学に関する一考察─
8 『保暦間記』の歴史叙述
9 謡曲における天狗の造型と天狗観─怨念の構造把握への覚書─
10 高野参詣記─碩学実隆の旅と文学─
11 趣旨の説明とささやかな総括─仏教文学会五〇周年記念シンポジウム─

Ⅳ ちりめん本の世界

1 ちりめん本「日本昔噺」研究の現状と課題
2 ちりめん本「日本昔噺」シリーズ『舌切雀』『瘤取』考─典拠と翻案、『宇治拾遺物語』との関連─
3 ちりめん本「日本昔噺」シリーズ『ねずみのよめいり』考
4 ちりめん本「日本昔噺」シリーズ『俵の藤太』考
5 ちりめん本「日本昔噺」シリーズ『海月』考
6 ちりめん本における記紀神話─No.9 『八頭ノ大蛇』の典拠と翻案─
7 ちりめん本「日本昔噺」シリーズと中世説話文学
8 ちりめん本研究文献目録

Ⅴ エッセイ

1 日本・日本語・日本人─明治百年祭を考える
2 創造性とは何か
3 現代社会の「老い」
4 大学教員に何が問われているか
5 方丈記八〇〇年─無常を生きる知恵
6 鴨長明編纂の『発心集』─現代こそ心の問題重視
7 帝を悩ませる御殿の上の怪物─鵺
8 教林文庫(早大図書館現蔵)のことについて
9 教林文庫考(覚書)
10 和古書の本物にふれる教育をめざして
11 大学カリキュラムにおける乗馬─いわき明星大学における実践報告
12 文学・人間・コンピュータ
13 国文学におけるコンピュータの役割と漢字
14 国文学研究も電算機時代─「ボタン一つで資料探せる」システム作り
15 漢字コード化のポイント

Ⅵ 略歴及び著述目録

初出一覧
解説─田嶋一夫氏の仕事......小峯和明
あとがき......小峯和明
索引(書名・人名・地名)


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