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2015年1月13日

 記事のカテゴリー : 新刊案内

●藤井貞和『文法的詩学その動態』(笠間書院)

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2月上旬の刊行予定です。

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藤井貞和『文法的詩学その動態』(笠間書院)
ISBN978-4-305-70715-4 C0081
A5判・上製・カバー装・388頁
定価:本体4,500円(税別)

物語や詩歌を読むことと、言語学のさまざまな学説たちとのあいだで本書は生まれた。
古典語界の文学を当時の現代文学として探究する書。
物語言語、詩歌のことばたちが要求する現実に沿って文法の体系的叙述を試みる。

【〈詩学〉は私にとり、ぜひ利用したい語である。poetics(詩学)と言えば、多くのひとがアリストテレス『詩学』を思い浮かべる。それでよいはずだ。広く劇詩(―悲劇)や叙事詩が念頭にある。劇詩を念頭におけば能や浄瑠璃世界が視野にあるし、叙事詩のすえには軍記物語から物語文学までが浮上する。そういう世界的な広がりで見ることに遠慮しなくてよい。とともに、狭義の〈詩の文法〉というか、詩歌を成り立たせる詩的言語の動態へと、私としては、自分の創作家的関心からも、一歩も二歩も踏みいりたい。古典詩歌(古代歌謡、『万葉集』歌、『古今集』歌など)、連歌や俳諧、近代詩さらに現代詩は、日本語の詩としてアイデンティファイする(同一とみなす)ことができるはずだ。世界の詩や詩人たちの営為にふれてゆくために、日本語の詩から何が立ち上げられるか、ということでもある。】......はじめにより

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■著者紹介

藤井貞和(ふじい・さだかず)
1942年東京都生まれ。東京大学文学部国文科卒業。現代詩の詩人。古代文学、言語態。立正大学教授、東京大学名誉教授。著書に『源氏物語の始原と現在』『深層の古代』『古典を読む本』『物語の方法』『物語文学成立史』『源氏物語論』『平安物語叙述論』『物語理論講義』『タブーと結婚』『日本語と時間』『人類の詩』『文法的詩学』、詩集に『ラブホテルの大家族』『遊ぶ子供』『大切なものを収める家』『神の子犬』『人間のシンポジウム』『春楡の木』ほか多数がある。
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■ご予約・ご注文は版元ドットコムで
http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-305-70715-4.html
または、直接小社まで、メールでinfo@kasamashoin.co.jpご連絡いただいても構いません。またはこちらのフォームで、購入希望としてご連絡ください(書名・冊数・お名前・ご住所・電話番号を明記してください)。
http://kasamashoin.jp/mailform.html

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【目次】

『文法的詩学』から本書『文法的詩学その動態』へ

Notes

一部  意味と意味を働かせる機能と

一章 名詞の類―自立語(上)
1 基本となる構文
2 「何がどうする」「何がどんなだ」
3 「何が何だ」構文
4 主格の形成
5 格
6 性/数、数詞
7 代名詞
8 固有称
9 連体関係節と吸着語
10 動態詞の名詞化

二章 動く、象る―自立語(中)

1 諸言語の活用のあるなし
2 動態詞一類の語幹―〈カ変、サ変、下二段〉
3 同―〈上一段、ナ変、上二段、ラ変、下一段、四段〉
4 動態詞二類(形容詞)と語幹
5 活用語尾「じ」―"程度の否定"
6 動態詞三類(形容動詞)
7 E尾とC辞との繋がり
8 接合子のちから
9 音便と活用形

三章 飾る、接ぐ、嘆じる―自立語(下)

1 副詞(作用詞、擬態詞、作態詞)
2 連体詞(冠体詞)
3 接続詞
4 感動詞(間投詞)

四章 論理上の文法と表出する文法

1 平安テクストの成立
2 意味はどこにあるか
3 「心」は意味か
4 言外の意味
5 意味を働かせるキー
6 論理上の主格と表出する主格

二部  機能語の詩学

五章 「あけがたには」の詩学
1 文法と詩学
2 〈言語態〉学の一環
3 『国語学原論』の主語格、述語格
4 「対象語格」とは

六章 助辞の言語態

  a 格助辞のグループ
1 「の」格を認定する
2 「が」格(主格〜所有格)
3 「が」格(続)
4 「に」格と「にて、で」
5 「に」は「助動詞」か
6 「を」格
7 「へ」格
8 より、から
9 「と」格の認定
10 擬格助辞一括―「まで」その他
  b 副助辞/係助辞/終助辞/間投助辞
1 ばかり、のみ、さへ、だに、すら、づつ
2 ながら、など(なんど)
3 し、しも、しぞ、い
4 係り結びを持つ助辞群
5 文末の助辞群
6 投げ入れる助辞群
  c 接続助辞のグループ
1 活用型に下接する助辞群
2 格助辞の「接続助詞」化問題
3 助辞、助動辞の相互の関係

七章 助動辞の言語態
1 krsm四辺形 krsm立体
2 アリar-i
3 起源にひらく「き」と時間経過の「けり」
4 アムam-uをめぐる
5 「らむ、らし、べし」三辺形
6 アシasi―形容辞
7 「ぬ」「つ」楕円体
8 たり、た
9 鳴り、見え、さま、こと
10 アニani アヌan- なふ
11 アフaph-(ap-) アトゥat- アクak- アスas-

八章 「る、らる」「す、さす、しむ」
1 "自然勢、可能態、受身、敬意"
2 自然勢(いわゆる自発)
3 可能/不可能
4 「る、らる」は「受身」か
5 自然勢/可能態と受身
6 『万葉集』の「ゆ、らゆ」
7 「る、らる」の敬意
8 尊敬と使役―「す、さす、しむ」

三部  詩歌の表現文法

九章 〈懸け詞〉文法
1 地口・口合いと懸け詞との相違
2 "二重の言語過程"
3 "一語多義的用法"
4 うたの全体感
5 表現者という主格の文法
6 同音を並べる技法について
7 「二重の序」を持つうた
8 双分観を超えるために

十章 序詞という視野
1 懸け詞が生きる場所
2 序詞(准句)と本句(正句)と
3 序詞部分の多様性
4 序詞から本句への転轍
5 途中に序詞がある
6 単屈折と複屈折
7 多複数回の屈折
8 "物によそへて思ひを陳ぶ"
9 《なずらへ歌》

十一章 譬喩、縁喩、無喩
1 「譬喩歌」
2 「譬喩歌」続
3 「譬喩歌」のボーダーライン
4 《たとへ歌》
5 六つのさま
6 縁喩
7 「物名」歌の音韻の興味
8 口語短歌
9 "物の名"の遊び
10 "ただに心緒を述ぶ"―「ただこと」歌
11 「ただこと」と「直語」
12 直喩歌はあるか
13 問答歌の性格

十二章 枕詞とフルコト
1 『歌経標式』という一書
2 フルコト、「ふるコト」
3 "新しい意(こころ)"
4 神話的な輝き
5 新築の婚舎
6 枕詞と序詞
7 散文らしさと詩的表現
8 詩的表現の指標

四部  リズム 音韻 文字

十三章 等時拍というリズム
1 時枝のリズム場
2 等時拍
3 詩歌の音数律とは
4 俳句と連歌
5 調べ
6 アクセント

十四章 音の韻きを探す

1 ことばの意識
2 日本語の形成
3 音韻の単位
4 擬音と声
5 上代音について
6 上代特殊かな遣い

十五章 文字と表記

1 表意文字、表語文字、表音文字
2 「助字」と『万葉集』
3 新羅郷歌
4 『万葉集』表記私案
5 万葉びとの遺産
6 巻頭歌二十首表記案
7 かな文化の始まりのころ―「斗」と「升」
8 句読点とは何か

五部  言語社会とうた

十六章 うたを詠む、作る、歌う
1 詠み手とその人称
2 ゼロという人称
3 自然称、擬人称
4 時称と"現在"

十七章 うたとは何か

1 うたの語源
2 文化としてのうた
3 《うた状態》の終り

十八章 言語社会にどう向き合うか
1 投げかけることばでなければ
2 詩を朗読する詩人と聴き手
3 詩は粒子かもしれない
4 往年のサルトリアンは
5 時制、アスペクト、モダリティ
6 ソシュールと時枝
7 時枝の言う「社会性」
8 批判先、原子的な単位
9 時枝国語学の臨界点
10 概念過程語が〈対象〉を求める
11 言語langueは要らないのでは

初出一覧
終わり書き
『文法的詩学』サマリー(英文、日本語)
索引(文法事項、人名)左開き


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