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2014年11月21日

 記事のカテゴリー : 新刊案内

●ツベタナ・クリステワ編『パロディと日本文化』(笠間書院)

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12月中旬の刊行予定です。

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ツベタナ・クリステワ編『パロディと日本文化』(笠間書院)
ISBN978-4-305-70747-5 C0095
A5判・並製・カバー装・496頁
定価:本体4,800円(税別)

時代も超え、詩歌・物語・絵画・食べ物など、ジャンルやメディアも越え、国境をも越え、パロディを考え抜く、前代未聞の試み。絵巻物からマンガまで、和歌から福澤諭吉まで。パロディを通して、日本文化を差異化し、再発見していこうとする野心的な書。

二〇〇九年十一月二十七〜二十八日に国際基督教大学(ICU)で開催された「パロディと日本文化」という国際シンポジウムでの発表をもとに成った書。「パロディとカノン」「パロディとメディア」「パロディとアイデンティティ」という三つのテーマと、各論では追い切れなかったものを座談会で検討し、パロディに切り込んでいく。パロディ研究の広がりや、その可能性、方向や方法を指し示した、かつてない書。

執筆は、小峯和明/ハルオ・シラネ/高橋 亨/渡辺雅子/クリストフ・マルケ/田頭正太郎/ツベタナ・クリステワ/張 龍妹/金 鍾徳/染谷智幸/小島康敬/竹村信治/ジョシュア・モストウ/M・ウィリアム・スティール/高崎 恵/古藤友子(執筆順)。

【(本書は)和歌から福沢諭吉まで、時代の枠組みも超え、詩歌・物語・絵画・食べ物など、ジャンルやメディアの境界も越えている。加えて、日本文化と他の東洋文化、日本文化と西洋文化との比較を視野に入れたので、国境をも越えたものである。また、シンポジウムでは、主として西洋の文化的実践に基づいている現代の文化論や文学理論の限界を超える、少なくとも、超えようとすることを目指したつもりである。「パロディ」というテーマだからこそできたことだが、それは反面、日本文化における「パロディ」があらゆるところに遍在していることの証明にもなったように思う。......本書冒頭「果たして「パロディ」とは?」より】

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■編者紹介

ツベタナ・クリステワ(Tzvetana I. Kristeva)
国際基督教大学教授。【専門分野】日本古典文学の詩学、日本文化の意味生成過程、文化・文学理論 。主要編著書に、『涙の詩学―王朝文化の詩的言語』(名古屋大学出版会、二〇〇一年)、『心づくしの日本語 和歌でよむ古代の思想』(ちくま新書、二〇一一年)、など。

■執筆者(執筆順)

小峯和明/ハルオ・シラネ/高橋 亨/渡辺雅子/クリストフ・マルケ/田頭正太郎/ツベタナ・クリステワ/張 龍妹/金 鍾徳/染谷智幸/小島康敬/竹村信治/ジョシュア・モストウ/M・ウィリアム・スティール/高崎 恵/古藤友子

※最後にプロフィールを掲載しています。

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■ご予約・ご注文は版元ドットコムで
http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-305-70747-5.html
または、直接小社まで、メールでinfo@kasamashoin.co.jpご連絡いただいても構いません。またはこちらのフォームで、購入希望としてご連絡ください(書名・冊数・お名前・ご住所・電話番号を明記してください)。
http://kasamashoin.jp/mailform.html
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【目次】

「はじめに」に代えて―
果たして「パロディ」とは?
●ツベタナ・クリステワ

 1 パロディ研究の重要性
 2 「パロディ」の定義
 3 「パロディ」の働き
 4 日本的「パロディ」の特徴
 5 本書の背景について

1 パロディとメディア Parody and Media

物語再生装置としてのパロディ―『平家物語』を軸に―
●小峯和明

 はじめに
 1 お伽草子『精進魚類物語』―擬人化とキャラクターの特化・清盛像
 2 語り物・絵入り本『義経地獄破り』―場面の変換と再演・南都焼き討ちの反転
 3 詞書本『百鬼夜行絵巻』―舞台装置の措定・福原遷都という時空
 4 天草本『平家物語』―〈雑談の平家〉・物語の変奏
 5 『源平盛衰記』―『平家物語』の再演、再創造

めかし/やつし―パロディ・見立て・「瀟湘八景」―
●ハルオ・シラネ

 はじめに
 1 鈴木春信と近江八景
 2 俳諧と狂歌の役割
 3 落雁の変奏
 4 「石山秋月」の変奏
 5 俗にある雅、雅にある俗

「十二類歌合絵詞」の歌と絵における〈もどき〉の表現法
●高橋 亨

 はじめに
 1 歌仙絵の多様な展開とそのパロディ性
 2 狩野大学氏信画「十二類歌合絵詞」の位相
 3 十二支の動物たちによる歌合の経緯
 4 詞書本文の翻刻と他本との差異
 5 歌の表現と絵との連想関連
 6 〈もどき〉としての十二類歌合
 おわりに

江戸時代の絵画、版画におけるやつし(見立)表現
―『小倉山荘図』について―
●渡辺雅子

 はじめに
 1 「定家」の芸能での変容―能『定家』
 2 「定家」の芸能での変容―古浄瑠璃『小倉山百人一首』
 3 「定家」の芸能での変容―土佐浄瑠璃『定家』
 4 「定家」の芸能での変容―歌舞伎『立髪定家かずら』
 5 奥村政信『小倉山荘図』を改めて考える

江戸時代の民画におけるパロディの精神―大津絵再考―
●クリストフ・マルケ

 はじめに
 1 江戸時代の大津絵における風刺・パロディの精神
 2 江戸後期の絵画における大津絵の見立て・パロディ
 3 幕末・明治の大津絵見立て
 まとめ

ねじられたパロディ
●田頭正太郎

 1 語源の傍らで
 2 日本語に並行して
 3 運動性を対象化する
 4 そして、ねじられた現代と共に

2 パロディとカノン Parody and Canon

パロディとしての「擬古」の技巧
―『白露』の考察から中世王朝物語の再解釈へ―
●ツベタナ・クリステワ

 1 ポスト源氏文学作品の評価
 2 詩的カノンにおける「白露」の意味合い
 3 『白露』のあらすじ
 4 パロディとしての『白露』の読み
 5 『白露』におけるパロディの手法と意味

『源氏物語』における漢文化受容の位相
●張 龍妹 

継子譚の類型表現とパロディ
●金 鍾徳

 はじめに
 1 継子譚と失靴事件
 2 継子譚の類型表現
 3 『源氏物語』の継子譚とパロディ
 おわりに

近世文芸においてパロディとは何だったのか
―井原西鶴『本朝二十不孝』を中心に―
●染谷智幸

 はじめに
 1 遊廓の平安朝パロディ
 2 『本朝二十不孝』の序
 3 『本朝二十不孝』巻一の一「今の都も世は借物」
 4 『二十不孝』の研究史と経済構造
 5 西鶴と東アジアの海洋域
 結語

「性」と「聖」とを繋ぐ笑い―パロディ繚乱の江戸文化―
●小島康敬

 はじめに
 1 パロディ満載の江戸文化
 2 「聖」も「性」へと茶化されて
 3 『論御』―『論語』の枉解・性解―
 結びに代えて

3 パロディとアイデンティティ Parody and Identity

パロディと主体
●竹村信治

 はじめに
 1 〈真似〉る主体
 2 〈真似〉させる主体
 3 パロディの主体
 4 批評される〈真似〉
 5 批評の声に取り巻かれるパロディの主体
 おわりに―〈道化〉る主体

見立絵・やつしに見るジェンダー
●ジョシュア・モストウ


二つのpara : オリジナルとイメージ群
●高崎恵

 1 キリシタン・イメージ
 2 オリジナルと対立するイメージ群:騒乱・魔法・異形
 3 オリジナルを対照するイメージ群:不思議・異界と仮想世界
 4 オリジナルに寄り添うイメージ群の可能性
 結語

文明開化とパロディ―万亭応賀の『活論学門雀』―
●M・ウィリアム・スティール

 はじめに
 1 万亭応賀の再評価
 2 福沢を「穿つ」
 3 『学門雀』
 結論

中国飲食文化にみるパロディ―仮料理管見―
●古藤友子

 小序
 1 宋・元代の仮料理
 2 明・清代の仮料理
 3 素菜と仮料理
 4 中国文化における「仮」とは何か
 小結

4 座談会 Parody and Japanese Culture : Symposium

 はじめに
 序―発表のまとめと議論の問題提起
 破―主要な問題点の確認
 急―問題点づくし
 むすびに

シンポジウム開催記録
執筆者プロフィール

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執筆者プロフィール

●小峯和明(こみね・かずあき)
立教大学名誉教授。中国人民大学講座教授。【専門分野】日本中世文学、東アジアの比較説話。主要著書に、『今昔物語集の形成と構造』(笠間書院、一九八五年)、『説話の森 天狗・盗賊・異形の道化』(大修館書店、一九九一年、岩波現代文庫 、二〇〇一年)、『説話の声 中世世界の語り・うた・笑い』(新曜社、二〇〇〇年)、『『野馬台詩』の謎 歴史叙述としての未来記』(岩波書店、二〇〇三年)、『院政期文学論』(笠間書院 、二〇〇六年)、『中世法会文芸論』(笠間書院、二〇〇九年)など。

●ハルオ・シラネ(Haruo Shirane)
コロンビア東アジア言語文化学部教授。【専門分野】日本古典文学。主要著書に、『夢の浮橋―源氏物語の詩学』(中央公論社、一九九二年)、『芭蕉の風景 文化の記憶』(角川書店、二〇〇一年)、『創造された古典』(共編著 新曜社、一九九九年)、『越境する日本文学研究』(編著 勉誠出版、二〇〇九年)、The Demon at Agi Bridge and Other Japanese Tales(Columbia University Press、二〇一一年)、Japan and the Culture of the Four Seasons: Nature, Literature, and the Arts(Columbia University Press、二〇一二年)など。

●高橋 亨(たかはし・とおる)
名古屋大学名誉教授。【専門分野】源氏物語論、初期物語表現史論、語りとテクスト理論、芸術論と文学。主要編著書に、『源氏物語の対位法』(東京大学出版会、一九八二年)、『物語文芸の表現史』(名古屋大学出版会、一九八七年)、『色ごのみの文学と王権―源氏物語の世界へ』(新典社、一九九〇年)、『物語と絵の遠近法』(ぺりかん社、一九九一年)、『源氏物語の詩学―かな物語の生成と心的遠近法』(名古屋大学出版会、二〇〇七年)、『〈紫式部〉と王朝文芸の表現史』(編著、森話社、二〇一二年)、『武家の文物と源氏物語絵』(編著、翰林書房、二〇一二年)など。

●渡辺雅子(わたなべ・まさこ)
学習院大学招聘研究員。【専門分野】物語絵、説話画。主要編著書に、『チェスター・ビーティ・ライブラリィ所蔵 竹取物語絵巻』(勉誠出版、二〇〇八年)、『Storytelling in Japanese Art (Metropolitan Museum of Art)』(Metropolitan Museum of Art 、二〇一一年)など。

●クリストフ・マルケ(Christophe MARQUET)
フランス国立東洋言語文化研究学院(INALCO)日本語・日本文化学科教授、日仏会館フランス事務所所長。【専門分野】日本近世・近代美術史、出版文化史。編書に、『絵を読む、文字を見る―日本文学とその媒体』(「アジア遊学」二〇〇八年)、『日本の文字文化を探る 日仏の視点から』(勉誠出版、二〇一〇年)など。フランスでは、光琳、北斎、歌麿、鍬形蕙斎、河鍋暁斎など数多くの江戸時代の画譜を翻訳し復刻出版している。

●田頭正太郎(たがしら・しょうたろう)
国際基督教大学大学院比較文化研究科博士後期課程中退。【専門分野】現代日本文学、文化論専攻。

●ツベタナ・クリステワ(Tzvetana I. Kristeva)
国際基督教大学教授。【専門分野】日本古典文学の詩学、日本文化の意味生成過程、文化・文学理論 。主要編著書に、『涙の詩学―王朝文化の詩的言語』(名古屋大学出版会、二〇〇一年)、『心づくしの日本語 和歌でよむ古代の思想』(ちくま新書、二〇一一年)、など。

●張 龍妹(チャン・ロンメイ)
北京日本学研究センター教授。【専門分野】『源氏物語』を中心とする平安文学 。主要編著書に、『源氏物語の救済』(風間書房、二〇〇〇年)、『日本文学』(高等教育出版社、二〇〇八年)、『世界語境中的源氏物語』(人民文学出版社、二〇〇四年)、『日本古典文学大辞典』(人民文学出版社、二〇〇五年)、『今昔物語集 本朝部』(挿図本、人民文学出版社、二〇〇八 年)など。

●金 鍾徳(キム・ジョンドク)
韓国外国語大学校日本学部教授。【専門分野】日本中古文学、源氏物語など 。主要著書・論文等に「韓国における近年の日本文学研究」(『文学・語学』二〇〇六年)、「高麗人の予言と虚構の方法」(『源氏物語の始発』竹林舎、二〇〇六年)、「枕草子と朝鮮王朝の宮廷文学」(『国文学』学燈社、二〇〇七年)、「朝鮮王朝と平安時代の宮廷文学」(『王朝文学と東アジアの宮廷文学』竹林舎、二〇〇八年)、「韓國における『源氏物語』の翻譯と研究」(『源氏物語國際フォーラム集成』、二〇〇九年)、「『源氏物語』と朝鮮半島の関わり」(『源氏物語と東アジア』、新典社、二〇一〇年)、「韓日の『白氏文集』受容と作意―『春香伝』と『源氏物語』を中心に―」(『源氏物語と白氏文集』、新典社、二〇一二年)。翻訳:『源氏 イヤギ』(ジマンジ、二〇〇八年)など。

●染谷智幸(そめや・ともゆき)
茨城キリスト教大学教授。【専門分野】日本近世文学・文化、日韓比較文学・文化。主要編著書に、『西鶴小説論―対照的構造と「東アジア」への視界』(翰林書房、二〇〇五年)、『冒険 淫風 怪異 東アジア古典小説の世界』(笠間書院、二〇一二年)。編著・共著に、青柳まちこ編『文化交流学を拓く』(世界思想社、二〇〇三年)、大輪靖宏編『江戸文学の冒険』(翰林書房、二〇〇七年)、染谷智幸・鄭炳説編『韓国の古典小説』(ぺりかん社、二〇〇八年)、諏訪春雄・広嶋進・染谷智幸編『西鶴と浮世草子研究 第四号 特集[性愛]』(笠間書院、二〇一〇年)、染谷智幸・崔官編『日本近世文学と朝鮮』(勉誠出版、二〇一三年)など。

●小島康敬(こじま・やすのり)
国際基督教大学教授。【専門分野】日本思想史。主要編著書に、『徂徠学と反徂徠』(増補版、ぺりかん社、一九九四年)、『江戸社会と国学―原郷への回帰』(監訳、ぺりかん社、一九九九年)、『鏡のなかの日本と韓国』(編著、ぺりかん社、二〇〇〇年)、『日本人と参勤交代』(監訳、柏書房、二〇一〇年)、『近世日本の言説と「知」―地域社会の変容をめぐる思想と意識』(編著、清文堂出版、二〇一三年)『「礼楽」文化―東アジアの教養』(編著、ぺりかん社、二〇一三年)など。

●竹村信治(たけむら・しんじ)
広島大学教授。【専門分野】物語文学、説話文学 。主要編著書に、『言述論(discours)―for説話集論』(笠間書院、二〇〇三年)、「「内証」の「こと加へ」―中世の言述 」(国語と国文学、二〇一一年一二月)、「〈他者のことば〉と『今昔物語集』―漂う預言者の未来記」(『東アジアの今昔物語集―翻訳・変成・予言』勉誠出版、二〇一二年)など。

●ジョシュア・モストウ(Joshua S.Mostow)
ブリティッシュ・コロンビア大学アジア学部教授。【専門分野】日本古典文学、日本美術史、比較文学。文学と視覚文化の相関関係の研究。主要編著書に、At the House of Gathered Leaves: Shorter Biographical and Autobiographical Narratives from Japanese Court Literature. (University of Hawai'i Press, 2004)、 「『みやび』とジェンダー―近代における『伊勢物語』」(岡野佐和訳、ハルオ・シラネ・鈴木登美編『創造された古典―カノン形成・国民国家・日本文学』新曜社、一九九九年)、編著に『伊勢物語 創造と変容』(和泉書院、二〇〇九年)など。

●高崎 恵(たかさき・めぐみ)
国際基督教大学研究員。【専門分野】文化人類学:宗教人類学。主要著書訳書に、『自己像の選択 : 五島カクレキリシタンの集団改宗』(国際基督教大学比較文化研究会、一九九九年)、「帰属の場を求めて」西井凉子・田辺繁治編『社会空間の人類学』(世界思想社、二〇〇六年)、マーク・R・マリンズ『メイド・イン・ジャパンのキリスト教』(トランスビュー、二〇〇五年)など。

●M・ウィリアム・スティール(M.William Steele)
国際基督教大学教授。【専門分野】歴史学。幕末の江戸、明治の地方政治史、二十世紀の日本における戦争と平和。主要著書に、『もう一つの近代―側面からみた幕末明治』(ぺりかん社、一九九八年)、『江戸社会と国学―原郷への回帰』(翻訳、ぺりかん社、一九九九年)、『ローカルヒストリーからグローバルヒストリーへ―多文化の歴史学と地域史』(編著、岩田書院、二〇〇五年)、『日本人と参勤交代』(翻訳、ぺりかん社、二〇一〇年)、Alternative Narratives in Modern Japanese History, Routledge Press, 2003. など。

●古藤友子(ことう・ともこ)
国際基督教大学教授。【専門分野】中国哲学。東アジア思想史。主要著書に、『周易本義』(共著、明徳出版社、一九九二年)、『日本の文字のふしぎふしぎ』(アリス館、一九九七年)、『五行大義〈上〉』(共著、明治書院、一九九八年)、『自分で答えをだしたい人のはじめての易占』(青土社、二〇一二年)など。


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