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2014年9月26日

 記事のカテゴリー : 新刊案内

●江戸狂歌研究会編『化物で楽しむ江戸狂歌〜『狂歌百鬼夜狂』をよむ〜』(笠間書院)

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10月下旬刊行予定です。

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江戸狂歌研究会【編】
『化物で楽しむ江戸狂歌〜『狂歌百鬼夜狂』をよむ〜』(笠間書院)
ISBN978-4-305-70742-0 C0093
A5判・並製・カバー装・264頁
定価:本体1500円(税別)

時は江戸時代。
面白おかしい化け物たちが今より身近にいた時代。
当時大流行した、これまたおかしな歌を詠む狂歌師たち。

ある夜、怪しいあばらやに集まると、
百「物語」ならぬ、百「狂歌」に興じ、
呑めや歌えや、出たの出ないの、大騒ぎ!

『狂歌百鬼夜狂』は、天明5年、
蔦屋重三郎が企画した狂歌会をもとに刊行されました。
狂歌会には、狂歌ブームの火付け役である四方赤良(大田南畝)をはじめ、
16名の狂歌師が集まり、当時人気の素材であった化物をお題に、
「百物語」に倣って、百首の狂歌が詠まれました。
本書は、狂歌の基礎知識、各歌の原文・現代語訳・語釈、化物の挿絵を収録。
江戸の化物と狂歌を、楽しみながら知ることの出来る1冊です!

【江戸狂歌が最高潮を迎えた、天明盛時の雰囲気を色濃く映し出したのが、この『狂歌百鬼夜狂』です。彼ら狂歌師仲間は、江戸の暮らしを言葉で祝福し、明るく楽しく謳いあげました。この作品を通して、化け物だけでなく、ついでにそんな江戸狂歌の世界も覗いていただきたいと江戸狂歌研究会一同願っています。...「はじめに」より】

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■ご予約・ご注文は版元ドットコムで
http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-305-70742-0.html
または、直接小社まで、メールでinfo@kasamashoin.co.jpご連絡いただいても構いません。またはこちらのフォームで、購入希望としてご連絡ください(書名・冊数・お名前・ご住所・電話番号を明記してください)。
http://kasamashoin.jp/mailform.html
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【目次】

  はじめに

Ⅰ 「狂歌」を知る

 狂歌とその歴史
 狂歌師略伝

Ⅱ 『狂歌百鬼夜狂』をよむ

 天明期の江戸狂歌本出版と『狂歌百鬼夜狂』
 『狂歌百鬼夜狂』書誌解説

Ⅲ 『狂歌百鬼夜狂』本文解説

 序[原文・現代語訳・語釈]
 百ものがたりの記[原文・現代語訳・語釈]
 百首解説【下記に全歌掲載しています!】

見越入道/雪女/人魂/女の首/離魂病/うしろ髪/山男/切禿/長髪/鬼/山姥/逆柱/毛女郎/楠亡霊/小袖の手/魔風/せうけら/殺生石/さとり/鬼女/油なめ/三目入道/片輪車/古寺/天井の手/船幽霊/壁坐頭/大魔が時/をいてけ堀/だかれ小僧/むじな/姥が火/牛鬼/肉吸/龍灯/牡丹灯籠/川獺/札へがし/木だま/髪切/帯取が池/おさかべ/山鳥/ひゝ/死ね/\榎/猪熊/戸がくし山/もどり橋/古戦場/土蜘/安達原/猫また/海坊主/もゝのけ/骸骨/羅生門/一つ目小僧/化物やしき/うぶめ/実方雀/大あたま/火車/一寸法師/生霊/死霊/大入道/四隅小僧/元興寺/化地蔵/枕返し/迷ひの金/光物/轆轤首/犬神/のつぺらぼう/蜃気楼/幽霊/青女房/青鷺/越中立山/狸/蛇児/逆幽霊/鵺/八幡しらず/皿屋敷/古椿/雨降小僧/なめ女/あやかし/しら児/天狗/文福茶釜/生贄/芭蕉の精/大座頭/釿ぼろ/古井戸/高砂松/金だま 

 跋文[原文・現代語訳・語釈]

  あとがき
  読書案内・参考文献
  執筆者一覧

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■著者紹介

粕谷宏紀 1936年生。日本大学名誉教授。著書に『石川雅望研究』(角川書店、1985年)、『東海道名所図会を読む』(東京堂出版、1997年)、編著に『江戸狂歌本選集』本編全13巻(東京堂出版、1998~2004年)などがある。2011年没。

石川了 1950年生。大妻女子大学名誉教授。著書に『江戸狂歌壇史の研究』(汲古書院、2011年)、編著に『江戸狂歌本選集』本編全13巻(東京堂出版、1998~2004年)、『嬉遊笑覧』全5巻(共編、岩波書店〈岩波文庫〉、2002~2009年)などがある。2014年没。

稲葉有祐 1977年生。立教大学兼任講師。論文に「「句兄弟」再考─その方法と戦略─」(『立教大学日本文学』第96号、2006年)、「湖十系点印付嘱の諸問題─〈其角正統〉という演出─」(『立教大学日本文学』第109号、2013年)などがある。

小林ふみ子 1973年生。法政大学教授。著書に『天明狂歌研究』(汲古書院、2009年)、『大田南畝 江戸に狂歌の花咲かす』(岩波書店、2014年)、『別冊太陽 北斎決定版』(共著、平凡社、2010年)などがある。

高橋啓之 1965年生。日本大学非常勤講師。著書に『落語登場人物辞典』(東京堂出版、2005年)、編著に『江戸狂歌本選集』本編全13巻(東京堂出版、1998~2004年)、論文に「川柳と落語」(『國文學解釈と教材の研究』第52巻第9号、2007年、學燈社)などがある。

長澤和彦 1953年生。元高校教師。論文に「大田南畝と松平定信―天明七年の出会い」(『近世文芸研究と評論』第74号、2008年)、「書肆富田屋新兵衛―安永期の大田南畝と関連して」(『近世文芸研究と評論』第61号、2001年)などがある。

伴野英一 1967年生。防衛医科大学校講師。編著に『新編西鶴全集』全五巻(勉誠出版、2000~2007年)、『新版色道大鏡』(八木書店、2006年)、『江戸吉原叢刊』全7巻(八木書店、2010~2012年)などがある(いずれも共編)。

牧野悟資 1975年生。大妻女子大学非常勤講師。論文に「『雑体詠格略鈔』考―和歌雑体と天保調―」(『国語と国文学』第88巻第5号、2011年)、「『狂歌波津加蛭子』考─石川雅望の狂歌活動再開を巡って」(『近世文藝』第80号、2004年)などがある。

山名順子 1979年生。川村学園女子大学講師。論文に「『雙蛺蝶白糸冊子』についての一考察」(『国文』110号、2008年)、「桑楊庵光著『圃老巷説菟道園』の挿絵―寛政四年版・文政七年版・天保十三年版を比較して―」(『日本文化研究の国際的情報伝達スキルの育成』、2009年)などがある。

吉丸雄哉 1973年生。三重大学准教授。著書に『武器で読む八犬伝』(新典社、2008年)、『式亭三馬とその周辺』(新典社、2011年)、『忍者文芸研究読本』(共編、笠間書院、2014年)などがある。

*その他、『江戸狂歌本選集』第14巻〈人名索引〉・第15巻〈狂歌論・名鑑〉(東京堂出版、2006・2008年)は著者がほぼ重なる。

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『狂歌百鬼夜狂』全歌一覧

01 見越入道 へづゝ東作
さかさまに月もにらむとみゆる哉野寺の松のみこし入道
02 雪女 紀 定麿
白粉にまさりてしろき雪女いづれけしやうのものと社みれ
03 人魂 唐来参和
はれやらぬ忘(ママ)執の雲のまよひよりうき世に跡をひける人だま
04 女の首 四方赤良
首ばかり出す女の髪の毛によればつめたき象のさしぐし
05 離魂病 宿屋めし盛
目の前に二つの姿あらはすは水にも月のかげのわづらひ
06 うしろ髪 山東京伝
うつくしき顔にみだせしうしろ髪ながきためしにひかれてぞ行
07 山男 算木有正
こしぬけてたつきもしらぬ山男さては我名をよぶこどりかと
08 切禿 今田部屋住
ふりむけば廊下にたちし切禿ひそ/\声のしにんすといふ
09 長髪 つむり光
長髪の女の姿は川柳どろ/\/\に裾や引ずる
10 鬼 馬場金埒
あばらやに生てふ鬼のしこ草はその丈五丈計なりけり
11 山姥 大屋裏住
金平が母とはだれもしら雪の山また山をめぐる足から
12 逆柱 鹿津部真顔
むかしたれさかさ柱をたて置てきもをひつくりかへさせにけん
13 毛女郎 土師掻安
夜ふけてはすごき縄手の長雨もふりむく顔の毛女郎かな
14 楠亡霊 問屋酒船
楠もけものゝ声のもうねんは七つがしらのうしみつの比
15 小袖の手 高利刈主
小袖からまたも手の出る虫干はりをうらみたる質の文殻
16 魔風 東作
こがらしの吹とばしたる軒瓦鬼もかなはぬ天狗風かな
17 せうけら 定麿
せうけらは冥途におちよ半兵衛と宵庚申にゆり起すかも
18 殺生石 ひかる
ばけのかはの玉藻を狐いたゞいて櫛笄となすの原かも
19 さとり 参和
その顔は三六さつて猿眼これや四そうをさとりなるらん
20 鬼女 赤良
内心の如夜叉の思ひあらはれてあやしきものゝけめんにぼさつ
21 油なめ めしもり
行灯のあぶらなめてふ化物のはつときえたるもゝんかはらけ
22 三目入道 京伝
日月にたとふ眼のみつあればひとつは星のいりしなるべし
23 片輪車 東作
とをくなきまたちかくなく引汐のかたわ車もこはさよちどり
24 古寺 うら住
灯明のきへかゝる夜は玉の緒のたゆる間もなく雨のふるでら
25 天井の手 まがほ
三浦屋の格天井と名にたかくとんだ手を出すこはいけいせい
26 船幽霊 有正
面色も青海原にうかみしはふなゆうれいをいひに出しか
27 壁坐頭 掻安
借銭は化物よりもおそろしき強催促の壁座頭かな
28 大魔が時 部屋住
物すごき大魔が時をうつしみる障子にせいの高い夕月
29 をいてけ堀 東作
すさまじき月に老女のけはひしてしはすの霜のをいていけ堀
30 だかれ小僧 定麿
たらちねに先だちゆきしをさな子の罪の重さはいだきてぞしる
31 むじな 京伝
うしみつに吹くる風の音づれはねいりむじなの目やさますらん
32 姥が火 真顔
姥が火におそれて年やよりにけんはのねもあはず腰もたゝぬは
33 牛鬼 参和
もう/\とくらき闇路を牛鬼のよごとにかよひくるまおそろし
34 肉吸 光
傘のあばら骨のみ残りけりあらにくすひの夜の嵐や
35 龍灯 赤良
浅草のいほかあらぬか龍灯の影もすみだの川にぼんぼり
36 牡丹灯籠 有正
かよひくるぼたん灯籠にたはれ男はよな/\ごとに落るしゝあひ
37 川獺 部屋住
雨の夜の案山子とみゆる姿には身の毛もぞつとよだつ川獺
38 札へがし うら住
子おろしの女房と見へて辻門の此世の札をへがしぬるかな
39 木だま めし盛
山々はみな落葉するその中にこだまの声はまだかれもせず
40 髪切 さかふね
ゑりもとにぞつと夜風の雪隠はこはいと手からおとしかみ切
41 帯取が池 かき安
利上げせし質物なるかいつまでもながれもやらぬ帯取が池
42 おさかべ 東作
おさかべはいくとせへたるかうろ峰簾をあぐる雪のふる城
43 山鳥 金埒
山鳥のおろかな人をばかしてやひとりぬるよの伽にかもする
44 ひゝ 定麿
足にまで物をつかめる〓(犭+矍)の身はわるい手くせや今にやまざる
45 死ね/\榎 さんわ
行人をしねとすゝむる古榎これやめいどの一里塚かも
46 猪熊 光
草摺をくはへて空へいかのぼりいと目もすごくみゆる猪熊
47 戸がくし山 飯盛
これもちの色は鬼より紅葉よりあかきや酒のとがくしの山
48 もどり橋 東作
たほやかな柳のうらのいつゝぎぬばかさるゝとも立もどり橋
49 古戦場 京伝
いせ武者のおもひか宇治の古戦場血烟たちてみゆるひをどし
50 土蜘 真顔
ある時は女郎ともなりて土蜘のいとしと人をかけにける哉
51 安達原 掻安
妖怪とこれもやいはん鬼ゆりのあだちが原にたてる姿は
52 猫また 酒船
ねこまたの姿とみしはまよひからこちらのむねのおどるなりけり
53 海坊主 赤良
湯浅とはいへども深い海坊主成仏してやうかみいづらん
54 ものゝけ 参和
ものゝけは葵の上のわざならん加茂の車のあらそひの後
55 骸骨 東作
しやれかうべ烏のほぢくる跡みれば何事をいても南無あみだぶつ
56 羅生門 定麿
井戸がへをなせるばかりにいばら木も渡辺の綱を引たり/\
57 一つ目小僧 ひかる
雨ふりてふり出したる一つ目の小僧はろくろ首のうら目歟
58 化物やしき 裏住
これもちの身では猶さらころさるゝ化しやうやしき歟大門の内
59 うぶめ さんわ
子とみせて石を抱するうぶ女こそたがめをかけしおもひものなる
60 実方雀 京伝
うらめしきむねのほむらに焼鳥は実方すゞめものゝけを引
61 大あたま めし盛
大あたまこれはかさごの魚なれやいづればさつとなまぐさき風
62 火車 真顔
逃足を追くる火車にとられじとをのれ飛てや股をさくらん
63 一寸法師 かき安
ばけものゝ一寸法師は狩人がうちしはなしのたねが嶋かも
64 生霊 酒船
おぼえある胸には釘をうたれしと思ふきゆへかいたむふし/\゛
65 死霊 掻安
いつまでもかさねがうらみきぬ川の水にうかべる流れ灌頂
66 大入道 ひかる
すむ穴も大広袖の入道か名にはおはざるなまぐさき風
67 四隅小僧 めしもり
碁にふけし月のよすみのばけ小僧どうかぞへてもあはぬもくさん
68 元興寺 東作
童さへ今はかしこくなら坂やこの手でいかぬ顔のがごうじ
69 化地蔵 定麿
あやしみをみする地蔵は六道の能化の文字をあらはせしかも
70 枕返し 参和
しん/\と物すごき夜のともし火も消て枕をかへさるゝ也
71 迷ひの金 赤良
みな人の迷ひのたねとなりいでしこがねのつるのあなうたてさよ
72 光物 京伝
なまぐさき風の吹きくるやみのよに光物すは魚のこけかも
73 轆轤首 真顔
窓の戸のすきと信ぜぬろくろ首ぬけでるうそをたがつたへけん
74 犬神 酒ふね
祭られて位つきにし犬神はいたくも人をなやませやする
75 のつぺらぼう めし盛
むさしのゝのつぺらぼうはとらまへてはなしにさへもならぬにげ水
76 蜃気楼 東作
はまぐりの柱やよせてたてぬらん工手間をみるもあゝしんき楼
77 幽霊 定麿
年もまだなかばにはてし幽霊歟腰より下のみえぬすがたは
78 青女房 掻安
物すごき風ふく原の古御所に生たつ草の青女房かな
79 青鷺 京伝
色かへぬ松にたぐへん青鷺のさもものすごく塀をみこすは
80 越中立山 ひかる
魂返す薬の出る国なればなき人にあふ越のたて山
81 狸 参和
冬がれて荒たるのべのはらつゞみ是や狸の化のかは音
82 蛇児 真顔
長くなりみじかくなりてみこまれし児を蛇ともしらで待らん
83 逆幽霊 酒船
幽霊もしでの山路のさかだちは娑婆へひつくりかへりたしかや
84 鵺 東作
さるほどに尾はくちなはの長ばなしぬえも変化も出るとらの時
85 八幡しらず 参和
このあたり所さだかにしらま弓八幡の森へいりてなければ
86 皿屋敷 光
ひと二つ三つよもふけて七つ八つ九つわつとよぶ皿の数
87 古椿 定麿
風ふけばをのれと首をふる椿はさへまだらにみえておそろし
88 雨降小僧 めし盛
さげてゆくおかべの雨のふりかへりにらむ眼は丸盆のごと
89 なめ女 まがほ
大かたのおそろしなどは甘口にきえかへらするなめ女かな
90 あやかし さんわ
ぬいてかすそこきみわるきひしやくさへあぶなき玉か舟のあやかし
91 しら児 東作
をさなしと思ふまに身は化にけりかしらの雪もわれはしら児
92 天狗 掻安
どつと笑ふ嵐の声にくらま山木のは天狗のみなちりにける
93 文福茶釜 酒ふね
文福の茶釜にばけのはへたるは上手の手から水のもりん寺
94 生贄 真顔
これやこの臆病神のみたらしかいけにゑよりもいろの青きは
95 芭蕉の精 定麿
物すごき形をみするばせをばも霜にはきえてうせぬべらなり
96 大座頭 ひかる
身のたけも高き利足の座頭の坊金のたゝりのおそろしき台
97 釿ぼろ 真顔
立よりてうてばひらりと釿ぼろあやしく肝をけづるもの哉
98 古井戸 赤良
つゝ井づゝゐづゝの中にあらかねの土の羊やおひにけらしも
99 高砂松 酒ふね
狸にはあらぬふぐりの広がりてまつの夫婦は化さうなとし
100 金だま へや住
ばけ物の置みやげかや金だまを千両つめし箱根山ほど


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