« 奈良県立美術館・特別展「語り継ぐココロとコトバ 大古事記展 -五感で味わう、愛と創造の物語-」(平成26年10月18日(土)〜12月14日(日)) | メイン | 慶應義塾図書館・第313回企画展示「本の歴史 part I」 同時開催「貴重書展示会ダイジェスト」(展示期間: 2014年8月20日(水)~8月30日(土)) »

2014年8月22日

 記事のカテゴリー : 新刊案内

●竹鼻 績『拾遺抄注釈』(笠間書院)

このエントリーをはてなブックマークに追加 Clip to Evernote Share on Tumblr LINEで送る

9月下旬刊行予定。

70714_k.jpg

竹鼻 績『拾遺抄注釈』(笠間書院)
ISBN978-4-305-70714-7 C0092
A5判・上製・函入・1360頁
定価:本体28,000円(税別)

初の全注釈!
『古今和歌集』・『後撰和歌集』に次ぐ
三番目の勅撰和歌集『拾遺和歌集』に
継承され、藤原公任撰といわれる歌集
『拾遺抄』は何を創造したのか。
宮内庁書陵部蔵本を底本に本文を校訂。
収録歌【全579首】を精緻に読み解く、はじめての試み。

【本書の特色】
●一首ごとに校異・大意・語釈・補説・他出 文献・作者略伝を付す。
●詠歌事情や、故実・表現・作者や登場人物 の解明、後代への影響を考究。
●巻末には和歌初句・人名・主要語句・事項 索引付。

●本書の凡例を以下に公開します。(2014.10.8公開)
http://kasamashoin.jp/shoten/shuuisho_han.pdf

-----------
■著者紹介

竹鼻 績(たけはな・いさお)

昭和8年 長野県に生まれる
昭和32年 東京教育大学大学院(修士課程)修了
昭和51年 山梨県立女子短期大学教授
現在 山梨県立大学名誉教授

著書に、『今鏡全訳注』(講談社学術文庫)、『歴史物語講座第四巻今鏡』(共著)、『小大君集注釈』(平成1年)、『実方集注釈』(平成5年)、『馬内侍集注釈』(平成10年)、『公任集注釈』(平成16年)、『古語大辞典』(小学館、共編)。

-----------
■ご予約・ご注文は版元ドットコムで
http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-305-70714-7.html
または、直接小社まで、メールでinfo@kasamashoin.co.jpご連絡いただいても構いません。またはこちらのフォームで、購入希望としてご連絡ください(書名・冊数・お名前・ご住所・電話番号を明記してください)。
http://kasamashoin.jp/mailform.html
-----------

【目次】

凡例
巻第一 春部
巻第二 夏部
巻第三 秋部
巻第四 冬部
巻第五 賀部
巻第六 別部
巻第七 恋部上
巻第八 恋部下
巻第九 雑部上
巻第十 雑部下
補考 『拾遺抄』の成立時期付撰者

和歌初句索引
人名索引
主要語句・事項索引
あとがき

-----------

【推薦文】

和歌文化史の呼吸を体得する
   秋山 虔(東京大学名誉教授)

 私は戦時下の学生だったから、迫り来る兵役への階梯として軍事教練を課され、また男での乏しくなった山村に入って農耕作業に従事する日々が続いた。学業とは縁遠い学生生活であったが、戦後、兵役から解放されて復学したものの、戦中にも増して学業とは無縁の実情の私だった。衣食住は困窮し、疎開地の栃木市から東京への通学は苦行だったが、それでも大学を卒業しないことには、これからの生活の目途も立たないので、三百枚の源氏物語論を卒業論文として提出したのだったが、研究史を無視した我流の作文であったから、やがて返戻されたそれは廃棄処分に付すほかなかった。国文学界で生きて行こうとする気持ちは皆無であったものの、しばらく大学院の学生として在籍することを許され、島津久基先生を指導教授として仰ぐことになった、そのご縁から、山岸徳平先生へのお近づきを許され、その門下の竹鼻績さんとのご縁に恵まれたことはまことに幸運であった。氏は温容で寡黙のお方だったが、学界の状況をよく把握しておられて、誰方がいまどのような研究を進めておられ、その成果からは何をいかに学ぶべきかを語ってくださった。また誰方の研究は何がどのように不足であるかを教えてもくださったので、学界の動向にはまったく無知の私を、この学界に引入れてくださったといえよう。
 源氏物語への私の関心は、その作者の紫式部の日記へと延伸し、機会に恵まれてその注釈をも公刊することができ、ほかに当時の女性たちの身の上の日記、その基底をなす男性知識人の漢詩文への関心から、本朝本粋の世界に立入ることを目指したものの、事情あって、というよりも私の非力ゆえに中途の足踏みのまま、作業は頓挫した。そうした私であるだけに、このたびの竹鼻さんの御大著の完成には、ただただ歓声をあげたくなるのである。
 拾遺抄は、これまで必要に応じて三好英二氏の校訂された本文を披見させていただく、その程度の縁であったが、このたびの竹鼻さんの精妙な注解は、まさに私を圧倒する迫力をもって目の前に聳立する趣である。平安和歌の着想や表現技法がいかに伝襲されつつ開花することになったか、まさに和歌文学史の呼吸を体得することができ、その和歌の詠出される場、儀式、行事等についての考証作業のえもいわれぬ妙味も格別であるといえよう。細緻な索引の利用価値についても申し加えることばを知らない。まさに平安王朝の歴史文化辞典として手放すことのできない宝典に、私は恵まれたといえよう。
 竹鼻さんの益々の御健勝を祈念申しあげつつ本書刊行の御祝いを言上し、かつ私は身を屈め脱帽して、この恩沢への御礼を申上げたく思う。


●グーグル提供広告