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2014年5月 1日

 記事のカテゴリー : 新刊案内

●原武 哲・石田忠彦・海老井英次編『夏目漱石周辺人物事典』(笠間書院)

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6月中旬刊行予定です。

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原武 哲・石田忠彦・海老井英次編『夏目漱石周辺人物事典』(笠間書院)
ISBN978-4-305-70722-2 C0591
菊判・上製・カバー装・616頁
定価:本体5,500円(税別)

皆、漱石の文学に影響を与えた。漱石の人生と交差した重要人物138人の、列伝事典。
周辺人物を通して、これまで知らなかった漱石が見えてくる。
人物の配列を五十音順ではなく、1幼少時代、2学生時代、3松山時代、4熊本時代、5留学時代、6東大・一高時代、7作家時代の七期に分け、出会いや交流の深かった時代でわかるようにした。列伝事典であるが、時間と共に漱石の生涯をたどる伝記的意味を込めた事典である。特定の人物を調べたい時は、「人名索引」で簡単に調べられる。かつてない画期的な読む事典。
半藤一利(作家)、平岡敏夫(筑波大学名誉教授)推薦。

本書の特色
1◉漱石の親族・恩師・友人知己・教え子・門下生・同時代の文学者たちのなかから138人を厳選解説。
2◉生誕地・父母を始めとして学歴・職歴を列挙。漱石との接触や交流、どのような影響を受けて漱石文学が成立したか、逆に漱石の人となり・作品がその人物にどう影響を与えたのか。日記・書簡などの資料を引用紹介しながら具体的に描く。
3◉人物の配列は、漱石との出会いや交流の深かった時代に沿って並べ、漱石の生涯をたどる伝記的意味を込めた。便宜上、1幼少時代、2学生時代、3松山時代、4熊本時代、5留学時代、6東大・一高時代、7作家時代の七期に分けている。
4◉掲載人物のより詳細な調査に便利な参考文献を列挙。

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■編者紹介
〈代表〉
原武 哲(はらたけ・さとる)
福岡女学院大学名誉教授。主著に『夏目漱石と菅虎雄―布衣禅情を楽しむ心友―』(教育出版センター、1983年12月)、『喪章を着けた千円札の漱石―伝記と考証―』(笠間書院、2003年10月)。

石田 忠彦(いしだ・ただひこ)
鹿児島大学名誉教授。主著に『坪内逍遥研究―附・文学論初出資料』(九州大学出版会、1988年2月)、『愛を追う漱石』(双文社出版、2011年12月)。

海老井 英次(えびい・えいじ)
九州大学名誉教授。主著に『芥川龍之介論攷―自己覚醒から解体へ』(桜楓社、1988年2月)、『開化・恋愛・東京―漱石・龍之介』(おうふう、2001年3月)。
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ご予約・ご注文は版元ドットコムで
http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-305-70722-2.html
または、直接小社まで、メールでinfo@kasamashoin.co.jpご連絡いただいても構いません。またはこちらのフォームで、購入希望としてご連絡ください(書名・冊数・お名前・ご住所・電話番号を明記してください)。
http://kasamashoin.jp/mailform.html
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■パンフレット(PDFで公開中)
※送料無料でお送りします。上記までご一報ください。

sousekijinbutsu_k.jpg

●夏目漱石周辺人物事典パンフレットPDF
http://kasamashoin.jp/shoten/sousekijinbutsu.pdf

【目次】

はじめに(原武哲)
凡例

第一期●幼少時代
一八六七(慶応三)年二月九日〜一八八四(明治一七)年九月一〇日

夏目千枝/安東真人/橋本左五郎/佐藤友熊/小城齊

第二期●学生時代
一八八四(明治一七)年九月一一日〜一八九五(明治二八)年三月

夏目登世/中村是公/立花政樹/隈本有尚/清水彦五郎/正岡子規/井上哲次郎/大塚保治/狩野亨吉/大塚楠緒子/菊池謙二郎/斎藤阿具/菅虎雄/釈宗演/釈宗活/立花銑三郎/藤代禎輔/山川信次郎/米山保三郎/芳賀矢一/藤井乙男/鈴木大拙/坪内逍遥/藤野古白/土井晩翠

第三期●松山時代
一八九五(明治二八)年四月〜一八九六(明治二九)年三月

中根重一/夏目鏡子/真鍋嘉一郎/浅田知定/村上霽月/高浜虚子/河東碧梧桐/松根東洋城/久保より江

第四期●熊本時代
一八九六(明治二九)年四月〜一九〇〇(明治三三)年七月

寺田寅彦/俣野義郎/奥太一郎/浅井栄煕/黒本植/中根與吉/徳永朧枝/東海猷禅/鈴木禎次/渋川玄耳/行徳二郎/夏目筆子/土屋忠治/藤村作/尾崎紅葉/橋口貢/中川元/坂元雪鳥

第五期●留学時代
一九〇〇(明治三三)年八月〜一九〇三(明治三六)年一月

池田菊苗/浅井忠/中村不折/岡倉由三郎/呉秀三

第六期●東大・一高時代
一九〇三(明治三六)年二月〜一九〇七(明治四〇)年三月

金子健二/小山内薫/小宮豊隆/野上豊一郎/野上弥生子/鳥居素川/鈴木三重吉/藤村操/皆川正禧/小林郁/野間真綱/野村伝四/岩元禎/森田草平/阿部次郎/安倍能成/内田魯庵/上田敏/木下杢太郎/泉鏡花/和辻哲郎/大谷繞石/大町桂月/国木田独歩/栗原古城/小泉八雲/幸田露伴/坂本四方太/田岡嶺雲/高山樗牛/島村抱月/中勘助/橋口五葉/荻生徂徠/与謝蕪村/正宗白鳥/厨川白村/片上天弦/小栗風葉/池辺三山

第七期●作家時代
一九〇七(明治四〇)年四月〜一九一六(大正五)年一二月九日

伊藤左千夫/二葉亭四迷/隈本繁吉/林原耕三/島崎藤村/志賀直哉/樋口銅牛/坂本繁二郎/長塚節/内田百閒/芥川龍之介/久米正雄/松岡譲/青木繁/平塚らいてう/生田長江/石川啄木/江口渙/久保猪之吉/白仁武/津田青楓/幸徳秋水/谷崎潤一郎/永井荷風/沼波瓊音/乃木希典/滝沢馬琴/馬場孤蝶/徳田秋声/武者小路実篤/森鴎外/良寛/田山花袋/田村俊子/有島生馬/村井啓太郎

夏目漱石略年譜
執筆者紹介
人名索引

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【推薦文】

三つのたのしみに満ちた大著

半藤一利(作家)

 亡き山田風太郎さんの家の客間には、長押に夏目漱石の森鷗外あての長い書簡が額装して飾られてあった。それを見上げながら、しばし漱石と鷗外との初対面はいつならん、という話に花が咲き各人各説で、座は大いに盛り上ったが、確答はでなかった。
 いまは明治二十九年一月三日午後の根岸子規庵での初句会のとき、とわたくしは自分なりの答えを用意している。このとき鷗外はもう堂々たる文人にして陸軍軍医学校長、いっぽう漱石は愛媛県松山中学校の教師、どの程度に親密になったやら、それはわからない。句座にあるものはほかに正岡子規、内藤鳴雪、高濱虛子、河東碧梧桐、その兄の河東可全、五百木飄亭と錚々たる面々。親分肌の子規が、鷗外に漱石を紹介して、
 「まだ俳句に志して日は浅いが、なかなか面白い句を作る夏目金之助君、号を漱石というくらいへそ曲りな江戸ッ子で......」
 ぐらいのことを言ったかもしれない。いずれにしても史上最豪華な句会。いずれその句会風景を再現して一編の小説を、と考えたりしたが、多彩な登場人物をいちいち調べるのも面倒なので残念ながらとりやめた覚えがある。
 そのときにこの『夏目漱石周辺人物事典』があったらなあ、とつくづくと思う。この楽しい句会の一日なんかお茶の子さいさいに書けたことであろう。〈新しい発見のたのしみ〉〈知るたのしみ〉さらには〈読むたのしみ〉に満ちた貴重な大著である。この精密な人物事典の成ったことに、これを完成させた方々にたいして深い敬意と感謝とを申しあげる。

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周辺人物と共に新たに蘇る漱石―読ませるユニークな漱石事典

平岡敏夫
(筑波大学名誉教授・群馬県立女子大学名誉教授(元学長))

 漱石事典はいくつか出ているし、これからも出るだろうが、「夏目漱石周辺人物事典」と銘打った事典はこれまでもなかったし、今後も出ないのではないか。というのは、漱石事典の類は、おのずから漱石周辺の人たちをも取りあげているからで、漱石周辺人物事典でもあったと言えるだろう。
 ところが本事典は、「漱石周辺人物事典」と名乗るだけあって、周辺の人物について多くのスペースを割いている。むろん人物によってスペースは異なるにせよ、従来の多少紋切り型の人物解説とは違い、その周辺人物が漱石との関わりにおいて、生き生きと蘇ってくるように描かれている。
 本事典の成立には、編者のひとり原武哲氏の長年の研究が基礎にある。四十余年も前のこと、郷土久留米出身の菅虎雄の三十回法要が久留米であったとき、新聞は漱石にふれなかった。原武氏はここから本事典に着手した。
 因みに原武氏担当の「菅虎雄」の項を読むと、列伝的に漱石に関わる豊富なエピソードが次から次へと展開し、実におもしろい。本事典は読む事典でもある。これが六頁にもわたるのだが、倦むことがない。「夏目鏡子」は十頁を超え、夫人の人となりが躍動し、漱石もまた夫人と共に生き返って来ている。
 担当者によって多少の違いはあろうが、石田忠彦・海老井英次両ベテラン教授の共編と相俟って、名実共に魅力的な事典となった。これから読みふけるのが楽しみである。

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【執筆者紹介(五十音順)】

石井 和夫(いしい・かずお)
福岡女子大学名誉教授。主著に『漱石と次代の青年』有朋堂、一九九三年一〇月。

石田 忠彦(いしだ・ただひこ)〈編者〉
鹿児島大学名誉教授。主著に『坪内逍遥研究―附・文学論初出資料』九州大学出版会、一九八八年二月。『愛を追う漱石』双文社出版、二〇一一年一二月。

海老井 英次(えびい・えいじ)〈編者〉
九州大学名誉教授。主著に『芥川龍之介論攷―自己覚醒から解体へ』桜楓社、一九八八年二月。『開化・恋愛・東京―漱石・龍之介』おうふう、二〇〇一年三月。
奥野 政元(おくの・まさもと)
梅光学院大学特任教授。主著に『中島敦論考』桜楓社、一九八五年一月。『芥川龍之介論』翰林書房、一九九三年九月。

桐生 直代(きりゅう・なおよ)
九州産業大学非常勤講師。主論文に「岡本かの子の〈日本回帰〉」『解釈』第53巻第1・2号、解釈学会、二〇〇七年一・二月。「岡本かの子『花は勁し』における〈身体感覚〉」『解釈』第57巻第7・8号、解釈学会、二〇一一年七・八月。

隈 慶秀(くま・よしひで)
福岡県立明善高等学校教諭。日本英語教育史学会会員・日本英学史学会会員。主論文に「明治31年の尋常中学校英語科教授法案について―尋常中学校英語科教授細目と関連して―」『英学史論叢』(日本英学史学会中国・四国支部研究紀要)第13号、二〇一〇年五月。「昭和24年の英語科教員再教育講習会―Virginia Geiger女史のもたらしたもの―」『英学史論叢』(日本英学史学会中国・四国支部研究紀要)第14号、二〇一一年五月。

坂本 正博(さかもと・まさひろ)
日本近代文学会会員。主著に『帰郷の瞬間―金井直『昆虫詩集』まで―』国文社、二〇〇六年一一月。『金子光晴「寂しさの歌」の継承―金井直・阿部謹也への系譜―』国文社、二〇一三年二月。

白坂 数男(しらさか・かずお)
日本英学史学会会員。主著に『新英語教育講座』第一一巻「教材と読みとり」三友社出版、一九八八年二月。『人間を育てる英語教育』「新英研50年のあゆみ」新英語教育研究会編「新英研のあゆみ」三友社出版、二〇〇九年八月。
関谷 由美子(せきや・ゆみこ)
文教大学他非常勤講師。主著に『漱石・藤村〈主人公〉の影』愛育社、一九九八年五月。『〈磁場〉の漱石 時計はいつも狂っている』翰林書房、二〇一三年三月。

高橋 正(たかはし・ただし)
高知工業高等専門学校名誉教授。主著に『評伝 大町桂月』高知市民図書館、一九九一年三月。『西園寺公望と明治の文人たち』不二出版、二〇〇二年一月。

中村 青史(なかむら・せいし)
熊本大学元教授。主著に『民友社の文学』三一書房、一九九五年一二月。小説『窮死した歌人の肖像―宗不旱外伝―』二〇一三年一二月。

西川 盛雄(にしかわ・もりお)
熊本大学客員・名誉教授。主著に編著『ハーン曼荼羅』北星堂、二〇〇八年一一月。共著『ラフカディオ・ハーンの英作文教育』弦書房、二〇一一年四月。

橋口 晋作(はしぐち・しんさく)
鹿児島県立短期大学名誉教授。主著に『樋口一葉―丸山福山町時代の小説小論』私家版、一九九四年三月。「初版『若菜集』の構成とその世界」『近代文学論集』第三〇号、二〇〇四年一一月。

原武 哲(はらたけ・さとる)〈編者代表〉
福岡女学院大学名誉教授。主著に『夏目漱石と菅虎雄―布衣禅情を楽しむ心友―』教育出版センター、一九八三年一二月。『喪章を着けた千円札の漱石―伝記と考証―』笠間書院、二〇〇三年一〇月。

松本 常彦(まつもと・つねひこ)
九州大学大学院比較社会文化研究院教授。主著に共編著『九州という思想』花書院、二〇〇七年五月。共編著『新日本古典文学大系〈明治編〉13・明治実録集』岩波書店、二〇〇七年三月。

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【凡例】

一、漱石作品の引用は、新版『漱石全集』(岩波書店。一九九三〜九九年)を原則とした。
一、人名は原則としてたとえ現存者に対しても敬称を略させていただいたので、御海恕願いたい。
一、年号は原則西暦で表記し、(  )内に元号を入れた。同世紀が繰り返し頻出する場合は、下二桁で示すこともある。
一、年齢は原則満年齢に統一した。
一、▼や漱石の動向を記した年号を太字にして、内容の区切りや時代の変わり目を示し、アクセントを付けて、読みやすくした。
一、地の文は現代仮名遣いであるが、「  」内の引用文は、原典の表記を尊重し、歴史的仮名遣いはそのまま歴史的仮名遣いを温存した。ただし、新字体に改めたものもある。
一、周辺人物として項目に取り上げられている人名は、初出個所に*印を付けて、「人名索引」で検索できるようにした。「人名索引」では周辺人物として項目に取り上げられている人名は、太字にしているので、当該の項目を見られたい。
一、原則として単行本・雑誌名・新聞名は『  』で、作品名・論文名は「  」で表記する。
一、〔参考文献〕では、『漱石全集』(岩波書店)・当該人物の個人全集・荒正人著『増補改訂 漱石研究年表』(集英社)は最も基本的な共通の文献であるから、原則省いた。
一、各項目の末尾に執筆者名を明記し、責任を明らかにした。ただし、編者代表は全文に目を通し、事典としての整合性をとり、意見も申し述べたので、最終的な責任は編者代表が負うものである。


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