« 二松学舎大学『東アジア学術総合研究所集刊』44集 | メイン | アダム・カバット氏(武蔵大学 教授)「草双紙にみられる化物―江戸庶民にとって不気味さとは―」 【アメリカ・カナダ大学連合日本研究センター・レクチャー・シリーズ】(2014年4月21日(月)、国際文化会館 岩崎小彌太記念ホール、無料・要予約) »

2014年4月 3日

 記事のカテゴリー : いただいた本・送られてきた本

●高橋悠介『禅竹能楽論の世界』(慶應義塾大学出版会)

このエントリーをはてなブックマークに追加 Clip to Evernote Share on Tumblr LINEで送る

慶應義塾大学出版会様よりいただきました。

978-4-7664-2099-9.jpg

A5判/上製/472頁
初版年月日:2014/03/10
ISBN:978-4-7664-2099-9
(4-7664-2099-3)
Cコード:C3074
定価 7,128円(本体 6,600円)

●版元サイトはこちら
http://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766420999/

▼ポスト世阿弥時代に「天下第一の上手」と称えられた能作者、金春禅竹(1405~70前後)。〈芭蕉・杜若・定家〉など、独特の深みを持つ能作品を生み出した一方、質・量ともに世阿弥に匹敵する、難解な能楽論を残したことで知られる。本書は、禅竹の身体論や世界観を、荒ぶる神と仏が織りなす宗教思想のダイナミズムの中から明らかにし、円や釼のイメージで示される能楽論を精緻に読み解く。能楽研究・思想史研究に新たな地平を切り拓く一書。
▼禅竹自筆伝書など貴重な資料をカラー口絵16頁にわたり掲載。

高橋 悠介(たかはし ゆうすけ)
神奈川県立金沢文庫学芸員、法政大学能楽研究所兼任所員。博士(学術)。日本中世文学・思想史研究。
1978年生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科美学美術史学専攻卒業、同大学院文学研究科国文学専攻修士課程修了。東京大学大学院総合文化研究科(表象文化論)博士課程単位取得退学。
主な研究業績に、「比叡山の巡礼記と記家――根本中堂前の竹台をめぐって」(『巡礼記研究』第2集、2005年9月)、「『明宿集』注釈稿(一)」(『 ZEAMI 』 4、2007年6月)、「称名寺聖教中の春日関係資料と『春日権現験記絵』(『説話文学研究』 46、2011年7月)、「荒神の図像について――如来荒神を中心に」(『仏教美術論集第2巻 図像学Ⅰ―― イメージの成立と伝承』竹林舎、2012年5月)など。担当した特別展図録に、『愛染明王――愛と怒りのほとけ』(神奈川県立金沢文庫、2011年)など。


【目次】

凡例

はじめに――金春禅竹研究の現在
  1、 禅竹の能
  2、 禅竹伝書の発見と紹介
  3、 五音系伝書・六輪一露説
  4、 『明宿集』、その他
  5、 本書の内容

Ⅰ 猿楽の芸能神としての翁と荒神

 第一章 猿楽と翁 / 荒神信仰
  1、 翁信仰と摩多羅神
  2、 『明宿集』にみえる宿神と荒神
  3、 障碍神としての荒神と鬼面
  4、 荒神と結界儀礼
  5、 おわりに

 第二章 荒神の縁起と祭祀
  1、 はじめに
  2、 荒神の生成とその性格
  3、 荒神信仰の展開
  4、 『荒神縁起』諸本について
  5、 『荒神縁起』にみえる荒神祭祀の縁起説
  6、 寺社縁起と荒神――勝尾・箕面周辺の荒神感得譚
  7、 荒神の図像と『瑜祇経』の注釈の世界
  8、 おわりに
  翻刻 『荒神縁起』(高野山大学図書館所蔵・高野山三宝院本『荒神縁起事 付霊瑞』

 第三章 室町期南都における荒神
  1、 はじめに
  2、 多武峰における荒神信仰
  3、 春日明神の弁才天本地説の周辺
  4、 興福寺における荒神供と荒神祓
  5、 長谷の笠荒神
  6、 笠荒神と秦河勝湧出譚
  7、 おわりに

 第四章 『明宿集』の世界と荒神
  1、 はじめに
  2、 二相一如論
  3、 胞衣荒神と「チハヤノ袖」「柔和忍辱衣」
  4、 根源神としての翁
  5、 おわりに

Ⅱ 円満井座の伝承と禅竹の信仰の諸相

 第五章 円満井座の舎利について
  1、 はじめに
  2、 翁・鬼二面の一如説と舎利
  3、 舎利の由来譚と、太子伝、教興寺縁起
  4、 如来三密としての舎利・経巻・神明
  5、 翁と舎利
  6、 叡尊・翁説と、春日第一御殿
  7、 翁の遍在説と舎利

 第六章 円満井座の御影について
  1、 はじめに
  2、 御影と住吉明神
  3、 御影と春日明神
  4、 星宿信仰と山王神道説
  5、 荒神と本命思想
  6、 おわりに

 第七章 猿楽起源説の周辺と律宗
  1、 はじめに
  2、 橘の内裏
  3、 秦氏関連寺院と律宗
  4、 志玉の経歴――称名寺と東大寺戒檀院
  5、 志玉の律僧としての側面
  6、 おわりに

Ⅲ 「六輪一露」という表象

 第八章 世阿弥から禅竹へ――禅の問題を中心に
  1、 はじめに
  2、 『遊楽習道風見』における「天下の器」としての「一心」
  3、 「無所住」の思想の受容と展開
  4、 志玉の禅
  5、 禅竹能楽論にみえる禅的要素

 第九章 円相と利釼
  1、 はじめに
  2、 神道灌頂の宝釼図
  3、 「一水」から変成した釼
  4、 円相と阿字と息風観
  5、 おわりに

 第十章 六輪一露説における志玉加注とその構造
  1、 はじめに
  2、 「志玉加注」における猿楽芸の位置づけと華厳学
  3、 寿輪と空輪の「志玉加注」――六輪一露説の円環構造をめぐって
  4、 おわりに

 第十一章 六輪一露説と一心三観
  1、 はじめに
  2、 句の用例と成立をめぐって
  3、 不動明王の利釼
  4、 不動明王と荒神
  5、 おわりに

 第十二章 禅竹能楽論における「一露」と華厳学
  1、 はじめに
  2、 六輪一露志玉注における「一露」
  3、 『華厳五教章見聞』にみえる白露の歌
  4、 「六輪ノ心ヲ」詠んだ歌
  5、 一露と「応無所住而生其心」
  6、 おわりに

 第十三章 禅竹能楽論における「一露」と胎生学
  1、 はじめに
  2、 禅竹能楽論における「一水」「一露」と、その研究史
  3、 伊勢神道における「一水」と胎生論
  4、 音率論と胎生論の関わり
  5、 禅竹の「一露」「一水」と胎生論
  6、 中世思想史の中での「一露」「一水」
  7、 密教における精気
  8、 荒神と本命思想
  9、 おわりに

 付録 『六輪一露之記』志玉注相当部分
 おわりに

  参考文献
  あとがき

  図版一覧
  索引


●グーグル提供広告