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2013年3月22日

 記事のカテゴリー : 新刊案内

●佐藤泰正・山城むつみ『文学は〈人間学〉だ。』(笠間書院)

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4月中旬の刊行予定です。

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佐藤泰正・山城むつみ『文学は〈人間学〉だ。』(笠間書院)
ISBN978-4-305-70694-2 C0090
定価:本体1,200円(税別)
四六判・並製・カバー装・208頁

人間という矛盾の塊は、どう救われていくのだろうか。
それを突き詰めて表現する「文学」を語り尽くす、二つの渾身の講演録。
佐藤泰正「文学が人生に相渉る時―文学逍遥七五年を語る」、山城むつみ「カラマーゾフの〈人間学〉」を収録。

【齢九十を超えた日本近代文学の碩学が七十五年の人生を振り返り、文学の奥義を語るというような堅苦しい厳めしさは少しもない。「両極、矛盾の塊である人間、両極のどちらも片付けない、手放さないで、それを抱えていく、人間を問い詰めていく。それが文学だ」と、口角泡を飛ばしながら繰り返し語っているのは、やはり十六歳の青年だ。だから現実にも若い人を動かすのだろう。......山城むつみ

小林秀雄が、つまり投げ捨てたというか、そこで止まったドミートリイという人物の揺れ動く矛盾そのものと、別の人物たちとの葛藤にふれて微細に分析して語って下さったのが、今日の山城さんの講演であります。それはカチェリーナとグルーシェンカという二人の女との間を巡って、ドミートリイという、あるがままの矛盾をそのままさらけだしている、ドストエフスキーの描く矛盾そのものと言っていい人物の典型ともいうべき存在の姿を実に見事に丁寧に分析してくださいました。......佐藤泰正】

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【著者紹介】
佐藤泰正(さとう やすまさ)
1917年山口県生まれ。近代日本文学研究者、梅光学院大学大学院客員教授。早稲田大学文学部卒。文学博士。梅光女学院大学教授を長く務め、副学長、学長を歴任。中原中也賞選考委員も辺見庸受賞の第16回まで務める。
<著書>「蕪村と近代詩」梅光女学院、「近代日本文学とキリスト教・試論」基督教学徒兄弟団、「文学その内なる神 日本近代文学一面」桜楓社、「近代文学遠望」国文社、「夏目漱石論」筑摩書房、「佐藤泰正著作集」(全12巻別巻1)翰林書房・第6巻『宮沢賢治論』(第7回宮沢賢治賞受賞)、「中原中也という場所」思潮社、「これが漱石だ。」櫻の森通信社
<共著>「人生の同伴者」遠藤周作/春秋社/講談社文芸文庫[増補版]、「漱石的主題」吉本隆明/春秋社

山城むつみ(やましろ むつみ)
1960年大阪府堺市生まれ。文芸評論家。東海大学文学部文芸創作学科教授。大阪外国語大学ロシア語学科卒業。1992年「小林批評のクリティカル・ポイント」(『群像』6月号掲載)で第35回群像新人文学賞受賞。2010年『ドストエフスキー』にて第65回毎日出版文化賞を受賞。
〈著書〉「文学のプログラム」太田出版/講談社文芸文庫、「転形期と思考」講談社、「ドストエフスキー」講談社、「連続する問題」幻戯書房
〈共著〉「可能なるコミュニズム」太田出版

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■ご予約・ご注文は版元ドットコムで
http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-305-70694-2.html
または、直接小社まで、メ―ルで info@kasamashoin.co.jp ご連絡いただいても構いません。またはこちらのフォ―ムで、購入希望としてご連絡ください(書名・冊数・お名前・ご住所・電話番号を明記してください)。
http://kasamashoin.jp/mailform.html
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【目次】

まえがき ◉ 山城むつみ

§1
文学が人生に相渉る時―文学逍遥七五年を語る―
◉ 佐藤泰正

1 はじめに
2 十六歳のドストエフスキイ
3 早稲田にて
4 衝撃のドストエフスキイ
5 志村ふくみさんとドストエフスキイ
6 ドストエフスキイと日本の文学者たち
7 文学は〈人間学〉
8 狭間に生きる
9 漱石との遅い出会い
10 大学院開設のとき
11 磯田光一という人
12 三島由紀夫とドン・キホーテ
13 磯田さんと芥川・小林
14 知的放蕩の学生時代
15 同人誌そして戦争
16 わたしたちのアイデンティティ
17 〈余生〉として
18 私学は志学として
19 「パノンの会」そして始めての自著
20 大学を卒業して
21 終戦そして梅光の復興
22 教育の原点を求めて
23 村上春樹の〈志〉
24 中原中也賞と川上未映子
25 吉本隆明さん
26 大岡昇平さん
27 遠藤周作さん
28 人生に相渉るとは何の謂いぞ
29 神と文学の間で

§2
カラマーゾフの〈人間学〉
◉ 山城むつみ

1 佐藤先生からの電話
2 文学は〈人間学〉
3 「父殺し」から遠く離れて
4 最小限のあらすじ
5 川の両岸が交わるところ
6 ええカッコしいのドミートリイ
7 コーカサスの「美談」
8 「美談」の内幕
9 カラマーゾフ的享楽--ドミートリイの場合
10 カラマーゾフ的享楽--イワンの場合
11 贈与の一撃とそのダメージ
12 マドンナの理想からソドムの理想
13 ソドムの理想からマドンナの理想
14 斜光が射し込む瞬間
講演のあとに―お礼の言葉(佐藤泰正)

あとがき ◉ 佐藤泰正


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