ディヴィッド・ルーリー著・青山学院大学文学部日本文学科編『世界の文字史と『万葉集』』(笠間書院)

4月上旬の刊行予定です。
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ディヴィッド・ルーリー・著
青山学院大学文学部日本文学科・編
小川靖彦・企画
『世界の文字史と『万葉集』』(笠間書院)
The Man’yōshū and the World History of Writing
ISBN978-4-305-70695-9 C0081
定価:本体600円(税別)
A5判・並製・64頁
日本の文字の進化論的図式は正しいのか。
漢字から「万葉仮名」へ、そして平安時代の仮名へ。
『万葉集』を世界の文字史から見ると、7・8世紀の日本の書記や文学の歴史の問題がより明らかになる。
「万葉仮名」は歌を書くなかで生み出されたのではなく、
書くためにふさわしいメディアとして意識的に選びとられたものであった。
『万葉集』を通して世界を見るダイナミックな視点も提示。
古代日本の研究成果が、世界の文字史研究に寄与することを説き、日本古典研究の明日を拓く。
世界的規模の人類文化史的視点から、独自の『万葉集』文字文化の研究を進める気鋭の学者による、講演録。
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【著者紹介】
ディヴィッド・ルーリー David Barnett Lurie
コロンビア大学東アジア言語文化学部准教授、ドナルド・キーン日本文化センター所長。
1971年生まれ。ハーバード大学卒業(比較文学専攻)。コロンビア大学大学院(日本古典文学専攻)にて博士号(Ph.D)取得(2001年)。
著書: Realms of Literacy: Early Japan and the History of Writing. Cambridge (Massachusetts) and London: The Harvard University Asia Center, 2011
論文: 「神話学として見る津田左右吉の『上代史』に関するノート」(『没後50年 津田左右吉展図録』早稲田大学・美濃加茂市民ミュージアム編集・発行、2011)、「万葉集の文字表現を可能にする条件(覚書)」(『国語と国文学』第84巻第11号(特集・上代文学研究の展望)、2007年11月)、その他、英語・日本語の論文多数。
編者○青山学院大学文学部日本文学科
企画○小川靖彦(おがわ・やすひこ)
青山学院大学文学部日本文学科教授
1961年生まれ。東京大学文学部卒業。東京大学大学院人文科学研究科修了。博士(文学)。著書:『萬葉学史の研究』(おうふう、2008〈2刷〉)、『万葉集 隠された歴史のメッセージ』(角川選書、角川学芸出版、2010)
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【目次】
はしがき(小川靖彦)
講師紹介(小川靖彦)
     *
Ⅰ はじめに
『万葉集』の書記の多様性
「表音文字」と「表語文字」という視点
Ⅱ 世界の文字史の伝統的な史観における〈表語〉と〈表音〉の関係
〈表語〉から〈表音〉への〈進化〉という捉え方
アルファベット=〈文明〉という神話
〝表語から表音へ〟という図式では説明できない
Ⅲ 表音への〈進化〉とその〈干渉〉という概念が日本に当てはめられる
ディリンジャーの文字史観の限界
「東洋史における悲劇」
当たり前のものでない「言文一致」
「偉大な勝利」として複数のリテラシーの併存
英語のスペリングの表語性
文字制度をどのように捉えるべきか
Ⅳ 『万葉集』と世界の文字史
表音文字主体の書記の少ない『万葉集』
表語文字主体から表音文字主体へという一九七〇〜八〇年代の定説
歌木簡の発見によって覆った定説
さまざまな要因によって選択された表語文字書記・表音文字書記
表音文字主体書記の多様性
Ⅴ おわりに
表語文字の排除という問題
『万葉集』から世界の文字史へ
講演を聴いて―コメントとレスポンス

●コメント(小川靖彦)

講演から想起されたこと―日本語の文字の諸相
研究史における講演の位置
三つの質問
●レスポンス(ディヴィッド・ルーリー)
西洋と東洋では反対方向となる文字の神話化
書く行為と読む行為のさまざまなバランス
文字を使ったパフォーマンス
●会場からの質問への回答

①韓国・朝鮮語のハングルのように制定者が明らかな場合には文字は神話化しないのか
②現代韓国語が漢字でなく、表音文字のハングルを使っていることをどう考えるか
⑵ 資料①ⓐⓑのように同じ歌が別の巻に重複して掲載されているのは、編集ミスによるものか
⑶ 『万葉集』の表音文字主体の歌と表語文字主体の歌とでは、英訳する際に違いがあるのか
○青山学院大学文学部日本文学科主催招聘講演「世界の文字史と『万葉集』」について(山下喜代)