高重久美『能因』[コレクション日本歌人選](笠間書院)

11月7日発売予定です(取次搬入)。
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コレクション日本歌人選 045
能因(のういん)[高重久美]
四六判・並製・146ページ
ISBN978-4-305-70645-4 C0092
定価:本体1200円(税別)
うたの森に、ようこそ。
柿本人麻呂から寺山修司、塚本邦雄まで、日本の代表的歌人の秀歌そのものを、堪能できるように編んだ、初めてのアンソロジー、全六〇冊。「コレクション日本歌人選」の、能因です。
西行や芭蕉もその足跡を追いかけた旅の歌人。
歌に魅了された「数奇」の先達。
能因(のういん)
道長時代よりやや後の時代に文章生(もんじょうしょう)として出発し、二十六歳ごろ出家。自撰『能因集』は、歌の世界を宮廷和歌とは異なる外の世界におし広げたものと特記される。清新な自然詠、文章生時代からの旧知との交遊の歌、奥州への旅の入り口に立つ感懐をうたう「都をば霞とともに立ちしかど秋風ぞ吹く白河の関」、自己発見としての歌枕探訪の歌、旅で出会った愛馬の死を悲しむ「別るれど安積(あさか)の沼の駒なれば面影にこそ離れざりけれ」、同じく鷹飼(たかかい)を思う歌など、西行や芭蕉たちから数奇(すき)の先達(せんだつ)として尊崇(そんすう)を集めることになった。
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○1期
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○2期
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○3期
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【著者プロフィール】
高重久美 たかしげ・くみ
1943年愛媛県生。お茶の水女子大学卒業・大阪市立大学大学院修了、博士(文学)。現在 大阪市立大学文学研究科都市文化研究センター研究員。主要著書『後拾遺和歌集新釈』上巻・下巻(共著・笠間書院)『和歌六人党とその時代–後朱雀朝歌会を軸として–』(和泉書院)「本塩竈町(河原院)」京都地名研究会編『京都の地名検証3』(勉誠出版)
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【目次】
01 別るれど安積の沼の駒なれば面影にこそ離れざりけれ
02 かくしつゝ暮れぬる秋と老いぬればしかすがになをものぞ悲しき
03 今更に思ひぞ出づる故郷に月夜に君と物語りして
04 いづくとも定めぬものは身なりけり人の心を宿とする間に
05 宮城野を思ひ出でつゝ移しける元荒の小萩花咲きにけり
06 さすらふる身はいづくともなかりけり浜名の橋のわたりへぞ行く
07 匂ひだに飽かなくものを梅が枝の末摘花の色にさへ咲く
08 思ふ人ありとなけれど故郷はしかすがにこそ恋しかりけれ
09 ふるさとを思ひ出でつゝ秋風に清見が関を越えんとすらん
10 白波の立ちながらだに長門なるとよらの島のとよられよかし
11 蜘蛛の糸にかゝれる白露は荒れたる宿の玉すだれかな
12 あはれ人今日の命を知らませば難波の葦に契らざらまし
13 藻塩やく海辺にゐてぞ思ひやる花の都の花の盛りを
14 有度浜に天の羽衣むかし着て振りけむ袖や今日の祝子
15 昔こそ何ともなしに恋しけれ伏見の里に今宵宿りて
16 神無月寝覚めに聞けば山里の嵐の声は木の葉なりけり
17 甲斐が嶺に咲きにけらしな足曳の山なし岡の山なしの花
18 わが宿の木末の夏になる時は生駒の山ぞ山隠れける
19  大江嘉言
  東路はいづかたとかは思ひたつ富士の高嶺は雪降りぬらし
20 都をば霞とともに立ちしかど秋風ぞ吹く白河の関
21 甲斐が嶺に雪の降れるか白雲かはるけきほどは分きぞかねつる
22 浅茅原荒れたる野べは昔見し人をしのぶのわたりなりけり
23 さ夜ふけてものぞ悲しき塩釜は百羽掻きする鴫の羽風に
24 わび人は外つ国ぞよき咲きて散る花の都は急ぎのみして
25 幾年に帰り来ぬらん引き植ゑし松の木陰に今日休むかな
26 陸奥の白尾の鷹を手に据ゑて浅茅の原を行くは誰が子ぞ
27 うち払ふ雪も止まなん御狩野の雉子の跡も尋ぬばかりに
28 夕されば汐風越して陸奥の野田の玉川千鳥鳴くなり
29 時鳥き鳴かぬ宵のしるからば寝る夜も一夜あらましものを
30 世の中を思ひ捨ててし身なれども心弱しと花に見えぬる
31 嵐吹く御室の山の紅葉ばは竜田の川の錦なりけり
32 春がすみ志賀の山越えせし人にあふ心地する花ざくらかな
歌人略伝
略年譜
解説「友と生き 旅に生きた歌人 能因」(高重久美)
読書案内
【付録エッセイ】「能因」(安田章生)