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2012年10月12日

 記事のカテゴリー : 新刊案内

●大内瑞恵『木下長嘯子』[コレクション日本歌人選](笠間書院)

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11月7日発売予定です(取次搬入)。

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コレクション日本歌人選 057
木下長嘯子(きのしたちょうしょうし)[大内瑞恵]
四六判・並製・124ページ

ISBN978-4-305-70657-7 C0092
定価:本体1200円(税別)

うたの森に、ようこそ。
柿本人麻呂から寺山修司、塚本邦雄まで、日本の代表的歌人の秀歌そのものを、堪能できるように編んだ、初めてのアンソロジー、全六〇冊。「コレクション日本歌人選」の、木下長嘯子です。

戦国時代に討ち死にした多くの武士とはちがい、
長嘯子は明らかに、権力よりも詩にあこがれていたのだ。
ーードナルド・キーン/訳・篠田一士

木下長嘯子(きのしたちょうしょうし)
秀吉と縁戚の木下という家系の縁で幼時から秀吉に仕えた武人。関ヶ原戦後に出家して京都に隠栖し、細川幽斎から訓育を受けた二条派歌道に、京極派の為兼や冷泉流の正徹の歌を学び加え、清新で自由闊達な独自の歌風を創り上げた。幽斎の同門弟子である松永貞徳とともに地下歌壇の雄として聞こえ、小堀遠州などと広い交際を続けた隠逸歌人。同時代の深草の元政上人らと同じく風狂の世界に世を送った歌人として、近世初期の多様な歌道の世界を代表する一人。

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●シリーズ全体像を説明したPDFはこちら
○1期
http://kasamashoin.jp/shoten/kajinsen.pdf
○2期
http://kasamashoin.jp/shoten/kajinsen_2nd.pdf
○3期
http://kasamashoin.jp/shoten/kajinsen_3rd.pdf
●シリーズ特設サイトはこちら
http://kasamashoin.jp/2011/02/post_1689.html
●「コレクション日本歌人選」パンフレット(上記PDF)を無料でお送りいたします。
※こちらのフォームで、「コレクション日本歌人選」パンフレット、希望として、ご請求ください。
http://kasamashoin.jp/mailform.html
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【著者プロフィール】
大内瑞恵 おおうち・みずえ
北海道生。総合研究大学院大学修了。博士(文学)現在 東洋大学・都留文科大学非常勤講師。
主要著書『謎解き浮世絵叢書 月岡芳年 魁題百撰相』(共編、二玄社)「『おくのほそ道』における短冊の機能」(『おくのほそ道大全』笠間書院)

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■ご予約・ご注文は版元ドットコムで
http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-305-70657-7.html
または、直接小社まで、メールで info@kasamashoin.co.jp ご連絡いただいても構いません。またはこちらのフォームで、購入希望としてご連絡ください(書名・冊数・お名前・ご住所・電話番号を明記してください)。
http://kasamashoin.jp/mailform.html
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【目次】
01 霞たつ逢坂山のさね葛また繰り返し春は来にけり
02 年の緒を去年と今年に縒りかけて一筋ならぬ春は来にけり
03 よもすがら軒端の梅の咲きて待つ朝戸教ゆる鶯の声
04 若菜つむ誰が白妙の袖ならむ雪は残らじ春日野の原
05 雪もなほ布留野の若菜袖寒み摘む乙女子や手房吹くらし
06 四方の空は更けしづまりて花の上にただ朧なる月ひとりのみ
07 み吉野の山分け衣桜色に心の奥も深く染めてき
08 山田もる秋の鳴子は引き変へて花踏む鳥の枝に懸くなり
09 花の雲空もひとつに枝はれて袖にぞ残る雨の名残は
10 紫も朱も緑も春の色はあるにもあらぬ山桜かな
11 吉野山花の盛りに人目など枯れぬと思へば雪の古里
12 夕立の杉の梢はあらはれて三輪の檜原ぞまた曇り行く
13 誰が宿ぞ月見ぬ憂さも顕はれぬ閨の戸たたく夜半の水鶏に
14 哀れにもうち光りゆく蛍かな雨の名残の静かなる夜に
15 久方の中なる枝や染めつらん時雨し後の月のひとしほ
16 見るからに野守が庵ぞ好もしき萩の生垣花もさながら
17 風吹けば雲の衣の絶え間より糸に解るる三日月の影
18 寝て明かす宿には月も夜離れせよ見ぬものゆゑに惜しき光を
19 出でぬ間の心づくしを山の端に取り返すまで澄める月かな
20 武蔵野や尾花を分けて出でぬ間は袖の中なる秋の夜の月
21 春の夜のみじかき夢を呼子鳥覚むる枕に打つ衣かな
22 西の海指してそなたと行く秋は今日や木の葉の舟出しぬらん
23 木の葉散り月もあらはに洩る山は残る下草数も見えけり
24 神無月降るは時雨の定めなく定めありても冬は来にけり
25 散り積もる庭の枯葉のそよそよとまだ降り染めぬ村時雨かな
26 水の秋も冬籠もりして山川の氷の底に澱む紅葉ば
27 峰白む雪の光に起き出でて後はるかなる鳥の初声
28 はかなくてあはれ今年もかき暮れて雪さへ身さへ涙さへ降る
29 葉を茂みつれなく立てるうつほ木の中は砕けて物をこそ思へ
30 おのれのみ富士の妬くや思ふらん雪の麓にかかる白雲
31 いつ消えておのが春をも待ちえまし富士の高嶺の雪の下草
32 山里に住まぬかぎりは住む人の何事といひし何事ぞこれ
33 あはれ知るわが身ならねど山里に住めば心のありげなるかな
34 あらぬ世に身は古りはてて大空も袖より曇る初時雨かな
35 君も思へ我も偲ばん旅衣来つつ馴れにしこと語るまで
36 大原や雪の夜月の桂川棹さす舟の友をしぞ思ふ
37 中々に訪はれし程ぞ山里は人も待たれて寂しかりつる
38 山里は苔むす岩ほ松古りて作りもなさぬ庭ぞ由ある
39 谷のかげ軒の撫子いま咲きつ常より君を来やと待ちける
40 千代経とも又なほ飽かで聴くべきはこの訪れや初ほととぎす
41 真袖かす月のためぞとむべ露をしか払はでや影は宿せる
42 許せ妹冬ばかりこそなよ竹のかぐや姫とは温かに寝め
43 去にざまの置土産とて眉の霜頭の雪を呉るる年かな
44 鉢叩き暁がたの一声は冬の夜さへも鳴くほととぎす
45 山深く住める心は花ぞ知るやよいざ桜物語りせむ
46 人の世に暗部の山の桜ばな花は中々風も待ちけり
47 黒髪も長かれとのみ掻き撫でしなど玉の緒の短かりけり
48 思ひつつ寝る夜も会ふと見えぬかな夢まで人や亡き世なるらむ
49 今年わが齢の数を人問はば老いて醜くなると答へん
50 露の身の消えても消えぬ置き所草葉のほかに又もありけり
歌人略伝
略年譜
解説「木下長嘯子の人生と歌の魅力」(大内瑞恵)
読書案内
【付録エッセイ】「木下長嘯子」(ドナルド・キーン)


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