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2012年7月11日

 記事のカテゴリー : 新刊案内

●伊藤伸江『正徹と心敬』[コレクション日本歌人選](笠間書院)

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8月6日発売予定です(取次搬入)。

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コレクション日本歌人選 054
正徹と心敬(しょうてつとしんけい)[伊藤伸江]
四六判・並製・122ページ

ISBN978-4-305-70654-6 C0092
定価:本体1200円(税別)

うたの森に、ようこそ。
柿本人麻呂から寺山修司、塚本邦雄まで、日本の代表的歌人の秀歌そのものを、堪能できるように編んだ、初めてのアンソロジー、全六〇冊。「コレクション日本歌人選」の、正徹と心敬です。

時の足利将軍に冷遇された冷泉派の歌人ながら
武家に信奉されて多くの弟子を集めた正徹。

正徹の弟子として歌体を受け継ぎ
その表現をさらに研ぎ澄ませた心敬。

正徹と心敬(しょうてつとしんけい)
冷泉派歌人でありつつも、さらに独自の歌風をきりひらいた正徹。定家を尊崇し、新古今歌風を高く評価する独特の感性から、革新的な美の世界を詠む和歌を生み出した。正徹に学び、和歌や連歌に透徹した境地をうたいあげた心敬。正徹との間の軋轢に苦しみながらも、誰よりも正徹の歌を理解し影響を受けている。正徹は多くの弟子を持ち、心敬を通して宗祇・兼載ら連歌作者が学び、和歌から連歌へは「正徹山脈」とも言うべき文学的な広がりが生まれていった。

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●シリーズ全体像を説明したPDFはこちら
○1期
http://kasamashoin.jp/shoten/kajinsen.pdf
○2期
http://kasamashoin.jp/shoten/kajinsen_2nd.pdf
○3期
http://kasamashoin.jp/shoten/kajinsen_3rd.pdf
●シリーズ特設サイトはこちら
http://kasamashoin.jp/2011/02/post_1689.html
●「コレクション日本歌人選」パンフレット(上記PDF)を無料でお送りいたします。
※こちらのフォームで、「コレクション日本歌人選」パンフレット、希望として、ご請求ください。
http://kasamashoin.jp/mailform.html
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【著者プロフィール】
伊藤伸江 いとう・のぶえ
1962年愛知県生。東京大学大学院修了。博士(文学)。現在 愛知県立大学教授。
主要著書『中世和歌連歌の研究』(笠間書院)『草根集/権大僧都心敬集 再昌』(共著・明治書院)

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■ご予約・ご注文は版元ドットコムで
http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-305-70654-6.html
または、直接小社まで、メールで info@kasamashoin.co.jp ご連絡いただいても構いません。またはこちらのフォームで、購入希望としてご連絡ください(書名・冊数・お名前・ご住所・電話番号を明記してください)。
http://kasamashoin.jp/mailform.html
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【目次】
正徹
01 めぐる江の流れ洲崎の離れ家に燕出で入る春日のどけし
02 水浅き蘆間に巣立つ鴨の足の短く浮かぶ夜半の月影
03 ひとりまづ梢を高み鳴きそめて山めぐりする蝉の諸声
04 憂しとてもよも厭はれじ我が身世にあらむかぎりの秋の夕暮
05 吹きしほり野分をならす夕立の風の上なる雲よ木の葉よ
06 身ぞあらぬ秋の日影の日にそへて弱れば強き槿の花
07 秋の日は糸より弱きささがにの雲のはたてに荻の上風
08 訪はれねば庭に日影はさしながら萩の錦ぞ暗き夜の闇
09 暗き夜の誰に心をあはすらん雲ぞまたたく秋の稲妻
10 冬枯れの庭に音せぬ風冴えて薄雪凍る夜半の月影
11 いくつ寝て春ぞと人に問ひしころ待ち遠なりし年ぞ恋しき
12 待ちあかす人の寝し夜の枕香にこがるる胸を猶押さへつつ
13 草も木も面影ならぬ色ぞなき憂き後朝の東雲の道
14 夕まぐれそれかと見えし面影の霞むぞ形見有明の月
15 暗き夜の窓うつ雨にわが心沈めば浮かぶ世世の古事
16 泡と消えぬ興津潮あひに浮かび出づる鐘の岬の夕暮れの声
17 村雨の古江をよそに飛ぶ鷺の跡まで白きおもだかの花
18 散らすなよ老い木の柞今一目会ひみんまでの露の秋風
19 ふけにけり流るる月も川波も清洲に澄める短夜の空
20 降る雨に折りける袖の白露や花に残りて猶匂ふらん
21 今日見れば杜の木の葉のちりぢりになりて人なき野辺の冬枯れ
22 わたりかね雲も夕べをなほたどる跡なき雪の峰のかけはし
23 咲けば散る夜の間の花の夢のうちにやがてまぎれぬ峰の白雲

心敬
01 深き夜の月に四の緒澄める江もしかじ難波の春のあけぼの
02 朝涼み水の衣の薄氷われにかさぬる木々の下風
03 ふけにけり音せぬ月に水さび江の棚無し小舟ひとり流れて
04 鐘ふかみあかつき月は霧薄き横河の杉の西に残りて
05 思ひ絶え待たじとすれば鳥だにも声せぬ雪の夕暮れの山
06 知れかしな窓打つ秋の夜の雨夕べの桐の葉の落つる時
07 わが袖ぞ逢瀬に遠き石臥の住むばかりなる川は流れて
08 流れ洲に小船漕ぎ捨て煙立つ入江の村に帰る釣り人
09 夕されば嵐をふくみ月をはく秋の高嶺の松さむくして
10 言の葉はつゐに色なき我が身かな昔はまま子今はみなし子
11 三十路よりこの世の夢は破れけり松吹く風やよその夕暮れ

心敬連歌
12 一声に見ぬ山深しほととぎす
13 くもる夜は月に見ゆべき心かな
14 時雨けり言の葉うかぶ秋の海
15 秋もなほ浅きは雪の夕べかな
16  波風も江の南こそのどかなれ
  難波に霞む紀路の遠山 心敬
17  我が心誰に語らん秋の空
  荻に夕風雲に雁がね 心敬
18  あはれにも真柴折りたく夕まぐれ
  炭売る市の帰るさの山 心敬
19  夏の来る南の風や匂ふらん
  形見の帯の短夜の空 心敬
20  心の通ふ夕べにぞなる
  立ち出でて都忘れぬ峰の庵 心敬
21  奥深き道を教への便りにて
  犬の声する夜の山里 心敬
22  名もしらぬ小草花咲く川辺かな 親当
  芝生がくれの秋の沢水 心敬
23  やすきかたなきそはのかけはし 貞興
  鳥も居ぬ古畑山の木は枯れて 心敬
24  分けゆけば乱れあひけり野辺の露 頼宣
  風のみ残る人の古郷 心敬

【補注】
歌人略伝
略年譜
解説「正徹から心敬へ--定家の風を継いで--」(伊藤伸江)
読書案内
【付録エッセイ】「正徹の歌一首」(那珂太郎)


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