日比野浩信『二条為氏と為世』[コレクション日本歌人選](笠間書院)

4月6日発売予定です(取次搬入)。
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コレクション日本歌人選029
二条為氏と為世[日比野浩信]
四六判・並製・130ページ
ISBN978-4-305-70629-4 C0092
定価:本体1200円(税別)
うたの森に、ようこそ。
柿本人麻呂から寺山修司、塚本邦雄まで、日本の代表的歌人の秀歌そのものを、堪能できるように編んだ、初めてのアンソロジー、全六〇冊。「コレクション日本歌人選」の、二条為氏と為世です。
為氏・為世親子は、生まれながらにして勅撰集を編むべき立場にあり、
見事その責を果たし、「次世代への架け橋」としての役割をも務めた。
二条為氏と為世 にじょうためうじ・ためよ
定家の正統を継ぐ歌道家の総帥として、中世に最大の権威を誇った二条派をリードした親子二代。為氏は為家の長男、為世はその為氏の子。為氏による『続拾遺集』、為世による『新後撰集』『続千載集』の編纂は、主流二条派による帰結として当然の栄誉であり結果であった。その歌風は為家が起こした平明な風から出ないと見なされてきたが、多くの門弟を有し、頓阿や実隆、宗祇、幽斎等を経て近世の堂上歌風に繋がっていく中世の正風体を確立した功績は見逃せないものがある。
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【著者プロフィール】
日比野浩信 ひびの・ひろのぶ
1966年愛知県生。愛知淑徳大学大学院単位取得。博士(文学)。 現在 愛知淑徳大学、愛知大学など非常勤講師。
主要編著書『久迩宮家旧蔵 俊頼無名抄の研究』(未刊国文資料刊行会)『陽明文庫本袋草紙と研究』(共著・同)『志香須賀文庫蔵 顕秘抄』(和泉書院)『校本和歌一字抄 付索引・資料』(共著・風間書房)『古筆切影印解説 Ⅳ十三代集編』(同)『五代集歌枕』(共編・みずほ出版)ほか。
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【目次】
為氏
01 人問はば見ずとや言はむ玉津島かすむ入り江の春のあけぼの
02 乙女子がかざしの桜咲きにけり袖振山にかかる白雲
03 春の夜の霞の間より山の端をほのかに見せて出づる月影
04 数ふれば春はいく日もなかりけりあだなる花の移りやすさは
05 月だにも心つくさぬ山の端に待つ宵過ぐるほととぎすかな
06 牡鹿待つ猟男の火串ほのみえてよそに明けゆく端山しげ山
07 今よりの衣雁がね秋風に誰が夜寒とか鳴きて来ぬらむ
08 常盤山変はる梢は見えねども月こそ秋の色に出でけれ
09 秋ごとになぐさめ難き月ぞとは馴れても知るや姥捨の山
10 時雨もて織るてふ秋の唐錦裁ち重ねたる衣手の森
11 暮れかかる夕べの空に雲さえて山の端ばかりふれる白雪
12 さゆる夜の嵐の風に降りそめて明くる雲間に積もる白雪
13 冬の夜は霜を重ねてかささぎの渡せる橋に氷る月影
14 君がすむ同じ雲居の月なれば空にかはらぬ万代の影
15 さしのぼる光につけて三笠山影なびくべき末ぞみえける
16 今よりの涙の果てよいかならむ恋ひそむるだに袖は濡れけり
17 知られじな心ひとつに嘆くとも言はではみゆる思ひならねば
18 言はで思ふ心一つの頼みこそ知られぬ中の命なりけれ
19 ねぬなはの寝ぬ名はかけてつらさのみ益田の池の自らぞ憂き
20 ありし世を恋ふる現かかひなきに夢になさばやまたも見ゆやと
21 いと早も移ろひぬるか秋萩の下葉の露のあだし心は
22 春日山祈りし末の代々かけて昔変はらぬ松の藤波
為世
01 今朝よりや春は来ぬらむ新玉の年立ちかへり霞む空かな
02 立ち渡る霞に浪はうづもれて磯辺の松に残る浦風
03 煙さへ霞添へけり難波人蘆火焚くやの春のあけぼの
04 行く先の雲は桜にあらはれて越えつる峰の花ぞ霞める
05 つれなくて残るならひを暮れてゆく春に教へよ有明の月
06 ほととぎす一声鳴きて片岡の森の梢を今ぞ過ぐなる
07 鵜飼舟瀬々さしのぼる白波にうつりて下る篝火のかげ
08 風寒み誰か起きゐて浅芽生の露の宿りに衣打つらむ
09 まれにだに逢はずはなにを七夕の年月ながき玉の緒にせむ
10 むら雲の浮きて空ゆく山風に木の葉残らず降る時雨かな
11 空はなほまだ夜ふかくて降り積もる雪の光に白む山の端
12 風さゆる宇治の網代木瀬を早み氷も波も砕けてぞ寄る
13 堰かでただ心にのみぞ忍ばまし袖の涙のなき世なりせば
14 今はまた飽かず頼めし影も見ずそことも知らぬ山の井の水
15 言の葉はつらきあまりに枯れぬとも冬野の真葛なほや恨みむ
16 数ならぬゆゑと思へば立ち返り人の咎にも身をぞ恨むる
17 なほざりの契りばかりに長らへてはかなく何を頼む命ぞ
18 この里は山陰なればほかよりも暮れ果てて聞く入相の鐘
19 をのづからうき身忘るるあらましにあり慰めて世をや過ぐさむ
20 今ぞ知る昔にかへる我が道のまことを神も守りけりとは
歌人略伝
略年譜
解説「伝統の継承者・為氏と為世–次世代への架け橋–」(日比野浩信)
読書案内
【付録エッセイ】春・藤原為氏(丸谷才一)