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2011年10月13日

 記事のカテゴリー : 新刊案内

●中島輝賢著『伊 勢』[コレクション日本歌人選](笠間書院)

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11月11日発売予定です(取次搬入)。

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コレクション日本歌人選 023
伊 勢[中島輝賢著]

ISBN978-4-305-70623-2 C0092
定価:本体1,200円(税別)
四六判・並製・132ページ

うたの森に、ようこそ。
柿本人麻呂から寺山修司、塚本邦雄まで、日本の代表的歌人の秀歌そのものを、堪能できるように編んだ、初めてのアンソロジー、全六〇冊。「コレクション日本歌人選」の第2期第1回配本、伊 勢です。

伊勢という女流は、あるいはかなり剛毅な放胆な心を、温和なやさしさのかげに秘めていたのではなかろうか。......馬場あき子

伊 勢 Ise
八世紀前半の仁明朝の小野小町の歌を継ぐ形で、九世紀後半の宇多天皇の後宮で自在な歌才を発揮し、男性歌人に伍して繊細多感な女性の歌を開拓した女房歌人。その歌は、女性の歌を多くは載せることのない『古今集』の中でも異彩を放っていて、後世に伊勢の御の尊称を残した。道綱母や和泉式部などその後に続く多くの女性歌人の歌のあり方をリードし、女歌の原型を確立した歌人としても知られる。『百人一首』に「難波がた短かき蘆の節の間も」の名歌を提供した。

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●シリーズ全体像を説明したPDFはこちら
http://kasamashoin.jp/shoten/kajinsen.pdf
シリーズ特設サイトはこちら
●「コレクション日本歌人選」パンフレット(上記PDF)を無料でお送りいたします。
※こちらのフォームで、「コレクション日本歌人選」パンフレット、希望として、ご請求ください。
http://kasamashoin.jp/mailform.html
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【著者プロフィール】
中島輝賢 Nakajima Terumasa
*1966年東京都生。
*早稲田大学大学院博士後期課程中退。
*現在 跡見学園女子大学兼任講師。大東文化大学、早稲田大学非常勤講師。
* 主要著者・論文
『ビギナーズ・クラシックス日本の古典 古今和歌集』(角川学芸出版)
『『古今和歌集』巻二十--注釈と論考--』(共著・新典社)
「紀貫之の〈薔薇〉の歌--漢詩文の影響と物名歌の場--」(『国文学研究』2001.10)
「「伊勢日記」の贈答四首と「任氏怨歌行」--物語化と諸本の関係--」(『国文学研究』2006.3)

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■ご予約・ご注文は版元ドットコムで
http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-305-70623-2.html
または、直接小社まで、メールで info@kasamashoin.co.jp ご連絡いただいても構いません。またはこちらのフォームで、購入希望としてご連絡ください(書名・冊数・お名前・ご住所・電話番号を明記してください)。
http://kasamashoin.jp/mailform.html
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【目次】
01 難波潟短き蘆のふしの間も逢はでこの世を過ぐしてよとや
02 涙さへ時雨に添ひて古里は紅葉の色も濃さぞまされる
03 人知れず絶えなましかばわびつつもなき名ぞとだに言ふべきものを
04 三輪の山いかに待ち見む年経ともたづぬる人もあらじと思へば
05 裁ち縫はぬ衣着し人もなきものを何山姫の布さらすらむ
06 一人行くことこそ憂けれ古里の奈良の並びて見し人もなみ
07 世の常の人の心をまだ見ねば何かこの度消ぬべきものを
08 岸もなく潮し満ちなば松山を下にて波は越さむとぞ思ふ
09 渡津海とあれにし床を今さらに払はば袖や泡と浮きなむ
10 春霞立つを見捨ててゆく雁は花なき里に住みやならへる
11 春ごとに流るる川を花と見て折られぬ水に袖や濡れなむ
12 年を経て花の鏡となる水は散りかかるをや曇ると言ふらむ
13 いなせとも言ひ放たれず憂きものは身を心ともせぬ世なりけり
14 冬枯れの野辺と我が身を思ひせば燃えても春を待たましものを
15 夢とても人に語るな知るといへば手枕ならぬ枕だにせず
16 塵に立つ我が名清めん百敷の人の心を枕ともがな
17 松虫も鳴き止みぬなる秋の野に誰呼ぶとてか花見にも来む
18 逢ひにあひて物思ふ頃の我が袖に宿る月さへ濡るる顔なる
19 年経ぬること思はずは浜千鳥ふみとめてだに見べきものかは
20 久方の中に生ひたる里なれば光をのみぞ頼むべらなる
21 別るれどあひも惜しまぬ百敷を見ざらむことや何か悲しき
22 植ゑたてて君がしめゆふ花なれば玉と見えてや露も置くらん
23 古るる身は涙の川に見ゆればや長柄の橋に誤たるらん
24 海とのみ円居の中はなりぬめりそながらあらぬ君の見ゆれば
25 伊勢の海に年経て住みし海人なれどかかる海松布はかづかざりしを
26 難波なる長柄の橋もつくるなり今は我が身を何にたとへむ
27 影をのみ水の下にてあひ見れど魂なき殻は甲斐なかりけり
28 木にもおひず羽も並べで何しかも波路隔てて君を聞くらむ
29 散り散らず聞かまほしきを古里の花見て帰る人も逢はなむ
30 飛鳥川淵にもあらぬ我が宿も瀬に変はりゆくものにぞありける
31 山川の音にのみ聞く百敷を身を早ながら見るよしもがな
32 波の花沖から咲きて散り来めり水の春とは風やなるらむ
33 影見ればいとど心ぞ惑はるる近からぬ気の疎きなりけり
34 いづこにも咲きはすらめど我が宿の大和撫子誰に見せまし
35 いづこにも草の枕を鈴虫はここを旅とも思はざらなむ
36 宿も狭に植ゑ並めつつぞ我は見る招く尾花に人やとまると
37 君見よとたづねて折れる山桜古りにし色と思はざらなむ
38 縒り合はせて泣くらむ声を糸にして我が涙をば玉にぬかなむ
39 沖津浪 荒れのみまさる 宮の内は 年経て住みし 伊勢の海人も
  舟流したる 心地して 寄らむ方なく 悲しきに 涙の色の 紅は
  我らが中の 時雨にて 秋の紅葉と 人々は おのが散り散り 別れなば
  頼むかげなく なり果てて とまるものとは 花薄 君なき庭に
  群れ立ちて 空を招かば 初雁の なき渡りつつ よそにこそ見め
40 水の上に浮かべる舟の君ならばここぞ泊りと言はましものを
41 死出の山越えて来つらむ時鳥恋しき人の上語らなむ
42 青柳の枝にかかれる春雨を糸もて貫ける玉かとぞ見る
43 見る人もなき山里の桜花ほかの散りなむ後ぞ咲かまし
44 見染めずはあらましものを古里の花に心の移りぬるかな
45 古里の荒れ果てにたる秋の野に花見がてらに来る人もがな
46 程もなく返すにまさる琴の音は人のとがめぬ音をや添ふらむ
47 数知らず君が齢を延ばへつつ名だたる宿の露とならなむ
48 千年とも何か祈らん浦に住む鶴の上をぞ見るべかりける
49 花薄呼子鳥にもあらねども昔恋しき音をぞなきぬる
50 音羽川せき入れて落とす滝つ瀬に人の心の見えもするかな
【補注】 
歌人略伝 
略年譜 
解説「理想の女房 伊勢」(中島輝賢) 
読書案内
【付録エッセイ】伊勢 もう一つの女歌(馬場あき子)


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