高野晴代著『源氏物語の和歌』[コレクション日本歌人選](笠間書院)

8月5日発売予定です(取次搬入)。
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コレクション日本歌人選 008
源氏物語の和歌[高野晴代著]
ISBN978-4-305-70608-9 C0092
定価:本体1,200円(税別)
四六判・並製・130ページ
うたの森に、ようこそ。
柿本人麻呂から寺山修司、塚本邦雄まで、日本の代表的歌人の秀歌そのものを、堪能できるように編んだ、初めてのアンソロジー、全六〇冊。「コレクション日本歌人選」の第6回配本、源氏物語の和歌です。
『源氏』は以後の物語文学に限らず、さまざまの形態の文学に決定的な影響を与えたが、逆にまた和歌の世界にも『源氏』の表現が美意識の規範として君臨することにもなった。—-秋山虔
 
源氏物語の和歌 Genjimonogatari no Waka
大長編『源氏物語』の和歌版ダイジェスト。物語のあらすじにも触れ、『源氏物語』の内容がコンパクトに一目瞭然に分かるというプレミア付き。800首近くにのぼる源氏物語の多くの和歌の中から、物語の作中人物が詠んだ歌を、各巻から一首ずつピックアップして解説。物語の進行や様々な場面に応じ、歌がどのように相手の気持ちとの駆引きによって詠み出されるか、その妙所を解いたユニークな書。特に贈答の歌に注目した。
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【著者プロフィール】
高野晴代 Takano Haruyo
* 1951年東京都生。
* 日本女子大学大学院博士課程後期満期退学。
* 現在 日本女子大学教授。
* 主要編著・論文
和歌文学大系18『小町集 他』(『伊勢集』校注・解説 明治書院)
「「仁和御屏風」再考–光孝朝屏風歌は、はたして存在したかー」(「和歌文学研究」)
「贈答歌の方法–『竹取物語』をめぐって–」(『古筆と和歌』笠間書院)
「光源氏物語の終幕–贈歌不在の視点から–」(『源氏物語と和歌』青簡舎)
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【目次】
01 限りとて別るる道の悲しきに行かまほしきは命なりけり(桐壺更衣)
02 山がつの垣ほ荒るとも折々にあはれはかけよ撫子の露(夕顔)
03 空蟬の羽におく露の木がくれて忍び忍びに濡るる袖かな(空蟬)
04 見し人の煙を雲とながむれば夕べの空もむつましきかな(光源氏)
05 世がたりに人や伝へむ類なく憂き身を醒めぬ夢になしても(藤壺中宮)
06 ふりにける頭の雪を見る人もおとらず濡らす朝の袖かな(光源氏)
07 唐人の袖ふることは遠けれど立ち居につけてあはれとは見き(藤壺中宮)
08 憂き身世にやがて消えなば尋ねても草の原をば問はじとや思ふ(朧月夜)
09 袖ぬるる泥とかつは知りながら下り立つ田子のみづからぞ憂き(六条御息所)
10 神垣はしるしの杉もなきものをいかに紛へて折れる榊ぞ(六条御息所)
11 橘の香をなつかしみほととぎす花散る里をたづねてぞ訪ふ(光源氏)
12 初雁は恋しき人の連なれや旅の空とぶ声の悲しき(光源氏)
13 思ふらむ心のほどややよいかにまだ見ぬ人の聞きか悩まむ(明石君)
14 水鶏だに驚かさずはいかにして荒れたる宿に月を入れまし(花散里)
15 藤波のうち過ぎがたく見えつるは松こそ宿のしるしなりけれ(光源氏)
16 逢坂の関やいかなる関なれば繁きなげきの中を分くらむ(空蟬)
17 別るとて遙かにいひし一言もかへりて物は今ぞ悲しき(前斎宮[秋好中宮])
18 行く先をはるかに祈る別れ路に堪えぬは老の涙なりけり(明石入道)
19 末遠き二葉の松に引き別れいつか木だかき影を見るべき(明石君)
20 氷とぢ石間の水は行き悩み空すむ月の影ぞ流るる(紫上)
21 心から春待つ苑はわが宿の紅葉を風のつてにだに見よ(秋好中宮[前斎院梅壺女御])
22 年を経て祈る心の違ひなば鏡の神をつらしとや見む(太宰少弐妻[玉鬘の乳母])
23 めづらしや花の寝ぐらに木づたひて谷の古巣をとへる鶯(明石君)
24 思ふとも君は知らじな湧きかへり岩漏る水に色し見えねば(柏木)
25 今日さへや引く人もなき水隠れに生ふる菖蒲の音のみ泣かれむ(蛍兵部卿宮[蛍宮])
26 草若み常陸の浦のいかが崎いかであひ見ん田子の浦波(近江君)
27 行方なき空に消ちてよ篝火のたよりにたぐふ煙とならば(玉鬘)
28 大方に荻の葉過ぐる風の音も憂き身ひとつに沁む心地して(明石君)
29 唐衣また唐衣唐衣かへすがへすも唐衣なる(光源氏)
30 朝日さす光を見ても玉笹の葉分けの霜を消たずもあらなむ(蛍兵部卿宮)
31 三瀬川わたらぬ先にいかでなほ涙の水脈の泡と消えなん(玉鬘)
32 花の香は散りにし枝にとまらねど移らむ袖に浅く染まめや(朝顔姫君[前斎院])
33 秋を経て時雨降りぬる里人もかかる紅葉の折をこそ見ね(朱雀院)
34 若葉さす野辺の小松を引きつれてもとの岩根を祈る今日かな(玉鬘)
35 消えとまる程やは経べきたまさかに蓮の露のかかるばかりを(紫上)
36 この春は柳の芽にぞ玉は抜く咲き散る花の行方知らねば(一条御息所)
37 憂き世にはあらぬ所のゆかしくて背く山路に思ひこそ入れ(女三宮)
38 雲の上をかけ離れたる住みかにも物忘れせぬ秋の夜の月(冷泉院)
39 山里のあはれをそふる夕霧に立ち出でむ空もなき心地して(夕霧)
40 置くと見る程ぞはかなきともすれば風に乱るる萩の上露(紫上)
41 搔きつめて見るもかひなし藻塩草同じ雲居の煙とをなれ(光源氏)
42 おぼつかな誰に問はましいかにして始めも果ても知らぬ我が身ぞ(薫)
43 花の香を匂はす宿に尋めゆかば色に愛づとや人の咎めむ(匂宮)
44 桜花匂ひあまたに散らさじと蔽ふばかりの袖はありやは(女童なれき)
45 いかでかく巣立ちけるぞと思ふにも憂き水鳥の契りをぞ知る(大君)
46 我なくて草の庵は荒れぬともこの一言は枯れじとぞ思ふ(八宮)
47 貫きもあへずもろき涙の玉の緒に長き契りをいかが結ばむ(大君)
48 あり経ればうれしき瀬にも逢ひけるを身を宇治川に投げてましかば(大輔君)
49 霜にあへず枯れにし園の菊なれど残りの色は褪せずもあるかな(今上帝)
50 里の名も昔ながらに見し人の面変はりせる寝屋の月影(薫)
51 年経とも変はらむものか橘の小島の崎に契る心は(匂宮)
52 あはれ知る心は人に遅れねど数ならぬ身に消えつつぞ経る(小宰相君)
53 憂きものと思ひも知らで過ぐす身を物思ふ人と人は知りけり(浮舟)
54 法の師と尋ぬる道をしるべにて思はぬ山に踏みまどふかな(薫)
『源氏物語』の和歌概観
光源氏・薫略年譜
解説「和歌から解く『源氏物語』世界の機微」(高野晴代)
読書案内
【付録エッセイ】源氏物語の四季(抄)(秋山虔)