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2011年7月14日

 記事のカテゴリー : 新刊案内

●武田早苗著『相 模』[コレクション日本歌人選](笠間書院)

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8月5日発売予定です(取次搬入)。

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コレクション日本歌人選 009
相 模[武田早苗著]

ISBN978-4-305-70609-6 C0092
定価:本体1,200円(税別)
四六判・並製・120ページ

うたの森に、ようこそ。
柿本人麻呂から寺山修司、塚本邦雄まで、日本の代表的歌人の秀歌そのものを、堪能できるように編んだ、初めてのアンソロジー、全六〇冊。「コレクション日本歌人選」の第6回配本、相模です。

相模の恋には、みずからの情熱をわきからじっと凝視する別の心があり、それに夢中になることを欲しながら、一方ではそうなりきれぬ思いがある。自分を突き放して傍観する態度である。----森本元子

相模 Sagami
宇治の関白頼通時代に、一品宮(いっぽんのみや)脩子内親王の女房として才能を開化させた。『百人一首』に「恨みわび干(ほ)さぬ袖だにあるものを」という妖艶な歌を残す。武人源頼光の娘といわれるが、詳しくは不明。橘則長と離縁後、相模守大江公資(きんより)と再婚したが、次第に夫と離反。その才に魅せられた藤原定頼に言い寄られたこともあった。その後宮廷世界に入って多くの歌合に参加、能因・源経信・範永らに伍して活躍、後拾遺集時代の花として輝いた。

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●シリーズ全体像を説明したPDFはこちら
http://kasamashoin.jp/shoten/kajinsen.pdf
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●「コレクション日本歌人選」パンフレット(上記PDF)を無料でお送りいたします。
※こちらのフォームで、「コレクション日本歌人選」パンフレット、希望として、ご請求ください。
http://kasamashoin.jp/mailform.html
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【著者プロフィール】
武田早苗 Takeda Sanae
* 1960年神奈川県生。
* 横浜国立大学大学院修士課程修了。
* 現在 相模女子大学学芸学部教授。
* 主要著書
和歌文学大系20『賀茂保憲女集/赤染衛門集/清少納言集/紫式部集/藤三位集』(明治書院)
『日本の作家100人 和泉式部 人と文学』(勉誠出版)

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■ご予約・ご注文は版元ドットコムで
http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-305-70609-6.html
または、直接小社まで、メールで info@kasamashoin.co.jp ご連絡いただいても構いません。またはこちらのフォームで、購入希望としてご連絡ください(書名・冊数・お名前・ご住所・電話番号を明記してください)。
http://kasamashoin.jp/mailform.html
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【目次】
01 岩間もる水にぞやどす梅の花こずゑは風のうしろめたさに
02 花ならぬなぐさめもなき山里に桜はしばし散らずもあらなん
03 霞だに山ぢにしばし立ちとまれすぎにし春の形見とも見む
04 見渡せば波のしがらみかけてけり卯の花さける玉川の里
05 五月雨は美豆の御牧のまこも草刈り干すひまもあらじとぞ思ふ
06 五月雨の空なつかしくにほふかな花橘に風や吹くらん
07 聞かでただ寝なましものを時鳥なかなかなりや夜半の一こゑ
08 下紅葉ひと葉づつ散る木の下に秋とおぼゆる蟬の声かな
09 手もたゆくならす扇のおきどころ忘るばかりに秋風ぞ吹く
10 ほどもなくたちやかへらむ七夕の霞の衣波にひかれて
11 秋の田になみよる稲は山川の水ひきうゑし早苗なりけり
12 雨により石田の早稲も刈り干さで朽たし果てつる頃の袖かな
13 暁の露は涙もとどまらで怨むる風の声ぞ残れる
14 都にも初雪降れば小野山のまきの炭窯焚きまさるらん
15 あはれにも暮れゆく年の日数かなかへらむことは夜のまと思ふに
16 逢あふことのなきよりかねて辛ければさてあらましに濡るる袖かな
17 五月雨の闇はすぎにき夕月夜ほのかに出でむ山の端を待て
18 つきもせずこひに涙をわかすかなこや七くりの出湯なるらん
19 もろともにいつか解くべきあふことのかた結びなる夜半の下紐
20 昨日今日嘆くばかりの心地せば明日に我が身やあはじとすらん
21 さもこそは心くらべに負けざらめはやくも見えし駒の足かな
22 なほざりに行ゆきてかへらん人よりもおくる心や道にまどはん
23 ことの葉につけてもなどかとはざらん蓬の宿も分かぬ嵐を
24 荒かりし風の後より絶えぬるは蜘蛛手にすがく糸にやあるらん
25 あやふしと見ゆる途絶えの丸橋のまろなどかかるもの思ふらん
26 来じとだにいはで絶えなば憂かりける人のまことをいかで知らまし
27 荒磯海の浜の真砂をみなもがなひとりぬる夜の数にとるべく
28 恨みわび干さぬ袖だにあるものを恋に朽ちなん名こそ惜しけれ
29 夕暮れは待たれしものをいまはただ行くらむかたを思ひこそやれ
30 辛からん人をもなにか恨むべきみづからだにもいとはしき身を
31 いつとなく心そらなる我がこひやふじの高嶺にかかる白雲
32 あふさかの関に心はかよはねど見し東路はなほぞこひしき
33 あきはててあとの煙は見えねども思ひさまさむかたのなきかな
34 いとはしき我が命さへゆく人の帰らんまでと惜しくなりぬる
35 時しもあれ春のなかばにあやまたぬ夜半の煙はうたがひもなし
36 さして来し日向の山を頼むには目もあきらかに見えざらめやは
37 氏を継ぎ門を広めて今年より富の入り来る宿と言はせよ
38 薫物のこを得むとのみ思ふかなひとりある身の心ぼそさに
39 光あらむ玉の男子得てしがな搔き撫でつつもおほし立つべく
40 野飼はねど荒れゆく駒をいかがせん森の下草さかりならねば
41 東路のそのはらからは来たりともあふ坂までは来さじとぞ思ふ
42 綱たえて離れ果てにし陸奥のをぶちの駒を昨日見しかな
43 見し月の光なしとや嘆くらん隔つる雲に時雨のみして
44 いづくにか思ふことをも忍ぶべきくまなく見ゆる秋の夜の月
45 あとたえて人も分け来ぬ夏草のしげくもものを思ふころかな
46 木の葉散る嵐の風の吹くころは涙さへこそおちまさりけれ
47 埋み火をよそにみるこそあはれなれ消ゆれば同じ灰となる身を
48 憂き世ぞと思ひ捨つれど命こそさすがに惜しきものにはありけれ
49 もろともに花を見るべき身ならねば心のみこそ空にみだるれ
50 難波人いそがぬたびの道ならばこやとばかりもいひはしてまし
歌人略伝
略年譜
解説 「歌人「相模」」(武田早苗)
読書案内
【付録エッセイ】「うらみわび」の歌について(森本元子)


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