佐々木隆著『良 寛』[コレクション日本歌人選](笠間書院)

7月8日発売予定です(取次搬入)。
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コレクション日本歌人選 015
良 寛[佐々木隆著]
ISBN978-4-305-70615-7 C0092
定価:本体1,200円(税別)
四六判・並製・122ページ
うたの森に、ようこそ。
柿本人麻呂から寺山修司、塚本邦雄まで、日本の代表的歌人の秀歌そのものを、堪能できるように編んだ、初めてのアンソロジー、全六〇冊。「コレクション日本歌人選」の第5回配本、良寛です。
あわ雪の中に立ちたる三千大世界(みちあふち)又其の中にあわ雪ぞ降る
北越の沙門良寛を包む冷たくしかし暖かい雪は、柔らかくしかし確実に、存在世界とその中に立つ自分との相互溶解的連関を象徴していたのである。—-五十嵐一
良寛(りょうかん)
新潟県出雲崎(いずもざき)出身、名主の跡継だったが家を出て、二十代から岡山玉島の曹洞宗円通寺で修行、国仙和尚から印可を受け、諸国を行脚。帰郷後の四十歳以降、弥彦(やひこ)山に近い国上山(くがみやま)中腹の五合庵に居を借りて暮した。漢詩を作り、『万葉集』や『古今集』、また西行に憧れ、平易で自由な表現でその境地をうたい、一部を晩年の家集『ふるさと』にまとめている。「霞たつながき春日を子供らと手まりつきつつこの日暮らしつ」など、子どもたちと遊んだ歌が知られている。
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【著者プロフィール】
佐々木隆 Sasaki Takashi
* 1949年東京都生。
* 上智大学大学院博士課程満期退学。
* 現在 東北女子大学教授。
* 主要著書・論文
『良寛の詩を読む』(国書刊行会)
『古今和歌集入門』(国書刊行会)
「現成公案の巻を読む」(宗学研究)
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【目次】
01 ふるさとへ行く人あらばことづてむけふ近江路を我越えにきと
02 山おろしよいたくな吹きそ白妙の衣かたしき旅寝せし夜は
03 思ひきや道の芝草うち敷きて今宵も同じ仮寝せむとは
04 津の国の高野の奥の古寺に杉のしづくを聞きあかしつつ
05 あしひきの黒坂山の木の間より洩りくる月の影のさやけさ
06 岩室の田中の松をけふ見れば時雨の雨に濡れつつ立てり
07 来てみればわが古里は荒れにけり庭も籬も落ち葉のみして
08 いにしへを思へば夢かうつつかも夜は時雨の雨を聞きつつ
09 あしひきの山べに住めばすべをなみ樒つみつつこの日暮らしつ
10 国上の 大殿の前の 一つ松 幾世経ぬらむ ちはやぶる
  神さび立てり 朝には い行きもとほり 夕べには そこに出で立ち
  立ち居て 見れども飽かぬ 一つ松はや
11 山かげの荒磯の波のたち返り見れども飽かぬ一つ松の木
12 あしひきの 国上の山に いへ居して い行き帰らひ
  山見れば 山も見が欲し 里見れば 里も豊けし
  春べには 花咲きををり 秋されば もみぢを手折り
  ひさかたの 月にかざして あらたまの 年に十年は 過ぎにけらしも
13 賤が家の垣根に春の立ちしより若菜摘まむとしめぬ日はなし
14 若菜摘む賤が門田の田の崩岸にちきり鳴くなり春にはなりぬ
15 この園の柳のもとに円居して遊ぶ春日は楽しきをづめ
16 梅の花折りてかざして石の上古りにしことを偲びつるかも
17 霞立つ永き春日に子どもらと手まりつきつつこの日暮らしつ
18 この里に手まりつきつつ子どもらと遊ぶ春日は暮れずともよし
19 この宮のもりの木下に子どもらと遊ぶ春日になりにけらしも
20 ひさかたの天ぎる雪と見るまでに降るは桜の花にぞありける
21 青山の木ぬれたちくきほととぎす鳴く声聞けば春は過ぎけり
22 ほととぎす汝が鳴く声をなつかしみこの日暮らしつその山のべに
23 世の中を憂しと思へばかほととぎす木の間がくれに鳴き渡るなり
24 わくらばに人も通はぬ山里はこずゑに蝉の声ばかりして
25 月夜よみ門田の田居に出でてみれば遠山もとに霧立ちわたる
26 わが待ちし秋は来ぬらしこの夕べ草むらごとに虫の声する
27 久方の棚機つ女は今もかも天の河原に出で立たすらし
28 渡し守はや舟出せよぬばたまの夜霧は立ちぬ川の瀬ごとに
29 ひさかたの天の河原の渡し守川波高し心して越せ
30 ぬばたまの夜は更けぬらし虫の音もわが衣手もうたて露けき
31 今よりは継ぎて夜寒むになりぬらし綴れ刺せてふ虫の声する
32 石の上古川の辺の萩の花今宵の雨に移ろひぬらむ
33 さびしさに草の庵を出でてみれば稲葉押しなみ秋風ぞ吹く
34 わが宿を訪ねて来ませ足引きの山のもみぢを手折りがてらに
35 秋山をわが越えくればたまぼこの道も照るまでにもみぢしにけり
36 このごろの寝ざめに聞けば高砂の尾上に響く小牡鹿の声
37 山里はうら寂しくぞなりにける木々の梢の散り行く見れば
38 もみぢ葉は散りはするとも谷川に影だに残せ秋の形見に
39 夜を寒み門田の畔にゐる鴨の寝ねがてにするころにぞありける
40 わが宿は越の白山冬ごもり行き来の人の跡かたもなし
41 いづくより夜の夢路をたどり来しみ山はいまだ雪の深きに
42 その上は酒に浮けつる梅の花土に落ちけりいたづらにして
43 何ごとも移りのみゆく世の中に花は昔の春に変はらず
44 思ほへずまたこの庵に来にけらしありし昔の心ならひに
45 この里に 行き来の人は さはにあれども さす竹の
  君しまさねば 寂しかりけり
46 あづさ弓 春野に出でて 若菜摘めども さす竹の
  君しまさねば 楽しくもなし
47 山かげの 槙の板屋に 雨も降り来ね さす竹の 君がしばしと
  立ちどまるべく
48 山吹の花の盛りは過ぎにけりふるさと人を待つとせしまに
49 かくあらむとかねて知りせばたまぼこの道行き人に言づてましを
50 たが里に旅寝しつらむぬばたまの夜半の嵐のうたて寒きに
歌人略伝
略年譜
解説「新しい良寛像」(佐々木隆)
読書案内
【付録エッセイ】存在のイマージュについて(抄)(五十嵐一)