錦 仁『なぜ和歌(うた)を詠むのか 菅江真澄の旅と地誌』 (笠間書院)

2月下旬の刊行予定です。
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ISBN978-4-305-70518-1 C0092
定価:本体3,200円(税別)
A5判・上製・カバー装・350頁
和歌とは、いかなるものか–。
人は何を和歌に託し、
和歌は何を秘めて続いてきたのだろうか。
本書は江戸後期、信越・東北・北海道などを歩き数多くの旅日記や地誌を記した菅江真澄の「和歌」「地誌」に注目する。
秋田藩主はなぜ、菅江真澄に、名所探し・名所作りを命じたのか?
それは真澄が「和歌」の役割を十分に理解していたから託すことが出来たのではないか。とすれば、その役割とは何なのか。
菅江真澄から、日本全土を覆い尽くしてきた、「和歌」が見えてくる。
本書はそれだけ根源的な問いを投げかける。日本人にとって、和歌とは何か、と。
■著者プロフィール
錦 仁(にしき じん)
昭和22年(1947)、山形県生まれ。
東北大学文学部文学研究科博士課程中途退学。秋田大学教育学部教授を経て、新潟大学現代社会文化研究科教授。博士(文学)。
■ご予約・ご注文は版元ドットコムで
http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-305-70518-1.html
または、直接小社まで、メールで info@kasamashoin.co.jp ご連絡いただいても構いません。
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■正誤表(2011.8.10up)
本書の正誤表を作りました。こちらからダウンロードしてください。(PDF)

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【目次】
Ⅰ 新しい眼で真澄を捉える
 国文学の姿
 菅江真澄の旅日記–虚構性
 和歌の機能
 真澄の方法
 真澄の地誌–〈逸脱〉と〈過剰〉
 〈日本論〉としての国文学へ
Ⅱ 真澄の旅–なくてはならない和歌
第一章 和歌の帝国
 和歌の力–場面転換
 古典和歌の想起
 和歌の帝国
 真澄の和歌
第二章 旅と風土
 真冬の北国へ
 古歌をふまえて歌を詠む
 遊女のこと
 古歌を思い浮かべて
 和歌の力
第三章 和歌を引けば本当の真澄か
 故郷を背にして
 旅日記と地誌
 異邦人だから記す
 和歌を削除した現代語訳
 真澄の〈語り〉
 「清水」へのこだわり
Ⅲ なぜ地誌を書いたか–藩主とのかかわり
第一章 旅日記から地誌へ
 さすらう人々への関心
 和歌を詠み歩く探訪記
 旅日記から地誌へ
 「真澄の考証、他国の見聞」
 〈逸脱〉〈過剰〉〈愉楽〉
 藩主のために
第二章 モノガタリの位置
 旅の始まり
 柳田國男の真澄観
 資料(史料)の区別
 『前々太平記』の手法
 『雪の出羽路』の構成
 〈歴史〉叙述の方法
 藩主の意向
第三章 和歌を詠みながら巡覧する藩主
 文芸的観点
 「常民」のための記録か
 「書記(フミ)」と「モノガタリ」
 秋田藩における〈歴史〉の再構築
 真澄以前の〈歴史〉認識
 「清水」から書き始める地誌
 秋田藩主の領内巡覧(鷹狩)
 和歌を詠みながら巡覧する
Ⅳ 地誌を生みだす和歌
第一章 藩主の地名変更–歌枕・名所へ
 旅日記と地誌の違い
 地誌を書き始めた時期
 和歌・漢詩に詠める地名へ
 名所を見立てて報告せよ
 「妻恋山」と「琴の海」
 藩主の文化意志
第二章 藩主の和歌観–和歌と歴史と神社
 『奥羽観蹟聞老志』(仙台藩)と「出羽旧記」(秋田藩)
 藩士の紀行に見る和歌と歴史(秋田藩)
 茂木知亮の歌論
 藩主の《領内名所和歌集》編纂と和歌観(仙台藩・津軽藩)
 和歌の〈歴史性〉〈領土性〉〈万民性〉
 仙台藩主の和歌観
 和歌の神は子孫繁栄の神
 和歌に包まれた日本
第三章 真澄を求めて–まとめ
 柳田・内田の定説を疑う
 名所の見立て
 秋田藩主の名所づくり
 和歌にも漢詩にも詠める地名
 歌枕・名所の意義
 おわりに
 補注
 初出誌一覧