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2010年2月25日

 記事のカテゴリー : 新刊案内

●神田裕子『能と古注釈書』(笠間書院)

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3月下旬の刊行です。

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神田裕子
能と古注釈書

ISBN978-4-305-70502-0 C3093
定価:本体7,200円(税別)
A5判・上製・カバー装・312ページ


室町時代、世阿弥によって大成された「能」という演劇の基盤は何であったのか。

能作品を生み出した重要な文学的基盤のひとつである、伊勢物語古注釈書を探る
ことから、その秘密に迫る。また能の芸能的基盤として重要な、鎌倉中期の歌
謡、宴曲(早歌)からも考えていく。
近世文化全体を見通したうえで、能を書誌学的調査から新たに捉え直す書。
「伝二条為兼筆冷泉家流伊勢物語抄」「謡抄」など初公開資料多数。

実証主義に徹し、新たな「能」の世界を探る。

●金春宗家蔵『宴曲集巻第一』の影印を、全編カラー掲載。


【目次】

序 神田裕子の学問とその方法......片桐洋一

第一章 能の文学的基盤ー伊勢物語古注釈の世界

第一節 伊勢物語注釈書に関する先行研究
第二節 冷泉家流伊勢物語古注の原型
(ⅰ)河野美術館蔵『伊勢物語註冷泉流』と「十巻本伊勢物語注」
(ⅱ)冷泉家流伊勢物語古注の変容と展開--『千金莫伝』、宮内庁書陵部蔵『伊勢物語抄』との関係--
第三節「十巻本伊勢物語注」について--「伝二条為兼筆冷泉家流伊勢物語抄」
【補足資料】「伝二条為兼筆冷泉家流伊勢物語抄」翻刻一覧
第四節 冷泉家流伊勢物語注の末書--「伝心敬筆伊勢物語注」について
(ⅰ)旧注的注釈態度の萌芽--「伝心敬筆伊勢物語注」の引用書物を中心に
(ⅱ)「伝心敬筆伊勢物語注」の成立年代と著者
(ⅲ)冷泉家流伊勢物語古注の末書としての特質--「伝心敬筆伊勢物語注」の引用和歌

第二章 能の注釈書と古典世界

第一節 「謡抄」と古典世界--紹巴注を中心に
(ⅰ)和歌に関する紹巴注
(ⅱ)伊勢物語注釈書に関する紹巴注
第二節 伊勢物語を題材とする能の注釈内容
(ⅰ)『紹巴本伊勢物語付註』と共通する注釈
(ⅱ)「伊勢物語闕疑抄」と共通する注釈
(ⅲ)「謡抄」に引用される「古注」
第三節 古活字「謡抄」守清本の書誌学的研究
(ⅰ)安田文庫蔵本と国会図書館本の照合
(ⅱ)守清本の刊行時期の推定
第四節 古活字「謡抄」単辺十二行本の書誌学的研究
(ⅰ)単辺十二行本の収録曲目と編成
(ⅱ)単辺十二行本の諸版
(ⅲ)守清本と単辺十二行本との関連
第五節 整版「童舞抄」の書誌学的研究--本能寺版古活字本との関連を中心に
(ⅰ)整版本『童舞抄』について
(ⅱ)本能寺版との関連
(ⅲ)江戸初期刊行能楽資料全般における、整版『童舞抄』の位相

第三章 能の芸能的基盤ー宴曲の世界

第一節 宴曲研究史概要
第二節 金春宗家蔵『宴曲集巻第一』をめぐって
(ⅰ)金春宗家本の朱濁点について
(ⅱ)金春宗家本の朱書きについて
(ⅲ)「今春太夫鎮喜」について
第三節 宴曲と天台の秘伝--〈三嶋詣〉の場合
(ⅰ)宴曲〈三嶋詣〉について
(ⅱ)宴曲〈三嶋詣〉と天台の秘伝
第四節 宴曲〈三嶋詣〉に見る古典世界
(ⅰ)和歌について
(ⅱ)仏教関連語について
(ⅲ)日本紀・縁起関連語について
(ⅳ)漢語について
第五節 明治期における宴曲研究
(ⅰ)吉田東伍以前
(ⅱ)吉田東伍の宴曲研究
【補足資料1】吉田文庫蔵宴曲関連資料一覧
【補足資料2】吉田東伍宴曲関連事項年表

《附録》金春宗家蔵『宴曲集巻第一』解題・翻刻・影印

掲載論文初出一覧

図版一覧

あとがき