島村幸一『『おもろさうし』と琉球文学』(笠間書院)

3月中旬の刊行です。
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島村幸一
『おもろさうし』と琉球文学
ISBN978-4-305-70503-7 C3081
定価:本体17,000円(税別)
A5判・上製・函入・796ページ
琉球文学の、その総体としての姿は、どのように明らかにできるか。
季節によっては台湾の山陰を臨むことができるという与那国島から奄美大島以南までの、琉球孤の島々で話される言語(琉球語・琉球方言)によって表現された琉球文学を、『おもろさうし』を中心に論じていく。
もうひとつの日本語による琉球文学を、これから日本文学の中にどのように定位していくのか。琉球文学の一方的な模索ではなく、本土日本文学からもその道を探らねばならない。これからの琉球文学研究の方向性を指し示す、希望に満ちあふれた書。
ここからはじまる、琉球文学論。
【目次】
まえがき
■■■第一部『おもろさうし』の研究■■■
□第一編 オモロの解読論
第一章 オモロにおける「連続部」と「反復部」の想定
 はじめに
 一、玉城論文の問題点
 二、〈みおやせ〉の類型表現
 三、〈ちよわれ〉の類型表現
 四、〈ちよわる〉の類型表現
 五、〈降れちへ〉の類型表現
 まとめ
第二章 オモロにみる兄妹の紐帯ーー琉球弧のヲナリ神
 はじめに
 一、琉球弧のヲナリ神
 二、オモロに謡われたヲナリ神Ⅰ
 三、オモロに謡われたヲナリ神Ⅱ
 四、オモロに謡われたヲナリ神Ⅲ
 おわりに
第三章 「ありきゑとオモロ」と「船ゑとオモロ」ーー『おもろさうし』第十と第十三
 はじめに
 一、第十と第十三の重複オモロ
 二、「しよりゑとのふし」という「ふし名」
 三、「ありきゑとオモロ」Ⅰ
 四、「ありきゑとオモロ」Ⅱ
 五、「ありきゑとオモロ」と「船ゑとオモロ」の表現Ⅰ
 六、「ありきゑとオモロ」と「船ゑとオモロ」の表現Ⅱ
 まとめ
第四章 古琉球末期のオモロ、尚寧王の君手擦り百果報事を中心に
 はじめに
 一、袋中が記す百果報事
 二、尚寧王の君手擦り百果報事のオモローー第一二ー七四〇ーー
 三、尚寧王の君手擦り百果報事のオモローー第一二ー七四一ーー
 まとめ
第五章 「地方」で謡われたオモロ、久米島オモロの特殊性
 はじめに
 一、久米島で謡われたオモロ
 二、「八重山征伐」を謡った君南風のオモロ
 三、神女、君南風の性格
 まとめ
第六章 久米島オモロと『君南風由来并位階且公事』所収の「仲里城祭礼之時おもろ」
 はじめに
 一、「仲里城祭礼之時おもろ」
 二、「仲里城祭礼之時おもろ」の「祭礼」の場
 三、「仲里城祭礼之時おもろ」の特徴
 四、「仲里城祭礼之時おもろ」の元ウタ
 まとめ
□第二編 オモロのテクスト論
第一章 歌唱者のテクストーー安仁屋本『おもろさうし』ーー
 はじめに
 故事、直伝のついたオモロ
 まとめ
第二章 安仁屋本『おもろさうし』に付された区切点
 はじめに
 一、先学の説
 二、区切り点の検討Ⅰ
 三、区切り点の検討Ⅱ
 四、書き改め時のオモロ
 五、『おもろさうし選釈』「例言」の検討
 六、第九「舞の手」について
 まとめ
第三章 『おもろさうし』第二十一と第十一の重複ーー『おもろさうし』再編纂に関わってーー
 はじめに
 第二十一の錯簡・重複について
 『おもろさうし』の再編纂について
□第三編 オモロの担い手論
第一章 『おもろさうし』の神女
 はじめに
 一、『おもろさうし』と「君々」
 二、「君々」のオモロ
 三、史料にみる神女
 四、神女オモロの正月儀礼歌
 五、歌唱者オモロの正月儀礼歌
 六、神女オモロと歌唱者オモロの時空
 まとめにかえて
第二章 神女オモロと歌唱者オモロ
 はじめに
 一、剣に関わるオモロから
 二、国王をあらわす語をめぐって
 まとめ
□第四編 オモロの表現論
第一章 オモロにおける「連続部」最終節部の表現
 はじめに
 一、対句表現をめぐって
 二、表現をめぐって
 結語
第二章 オモロの美称語
 はじめに
 一、船をあらわす美称語
 二、鼓、幡・笠(冷傘)、扇、建物をあらわす美称語
 三、美称語を作る表現
 四、下接する美称語
 まとめ
第三章 オモロの表現ーー〈生産叙事〉の視点からーー
 はじめに
 一、『おもろさうし』の「生産叙事歌」
 二、「撫でる」という言葉
 三、〈生産叙事〉に関わる語
 まとめ
□第五編 『おもろさうし』と『混効験集』
第一章 『混効験集』についての考察ーー引用文献を中心にーー
 はじめに
 『混効験集』が引用する文献
 『混効験集』の編纂について
 まとめ
第二章 『混効験集』オモロ語注と『おもろさうし』「言葉聞書」についての考察
 はじめに
 一、『混効験集』オモロ語注と『おもろさうし』「言語聞書」の先後関係
 二、「言葉聞書」の付され方Ⅰ
 三、「言葉聞書」の付され方Ⅱ
 四、「言葉聞書」の付され方Ⅲ
 まとめにかえて
■■■第二部 歌謡研究■■■
□第一編 長詩形歌謡の研究
第一章 琉球弧のウタにあらわれた〈生産叙事〉表現
 はじめに
 一、「生産叙事歌」の表現
 二、「生産叙事歌」の末尾表現
 三、〈生産叙事歌〉を含むウタ
 まとめ
第二章 琉球弧のウタにあらわれた〈巡行叙事〉表現
 はじめに
 一、神送りのウタ
 二、呪謡「生れ語れ」
 三、オモロ第十–五一四
 四、〈巡行叙事〉の始原
 五、英雄の〈巡行叙事〉
 六、〈巡行叙事〉の展開
 まとめ
第三章 南島歌謡にみる交易ーー宮古島と八重山を中心にーー
□第二編 短詩形歌謡、琉歌の研究
第一章 儀礼歌としての琉歌
 はじめに
 一、嘉謝手風節で歌われた琉歌Ⅰ
 二、嘉謝手風節で歌われた琉歌Ⅱ
 三、嘉謝手風節で歌われた琉歌Ⅲ
 四、嘉謝手風節で歌われた琉歌Ⅳ
 五、旅御前風説について
 六、作田節について
 まとめ
第二章 疱瘡歌の系譜
 はじめに
 疱瘡歌
 まとめ
〈附録〉「上江洲文書」疱瘡歌『南苑八景』中の疱瘡歌『琉歌全集』『琉歌大成』
■■■第三部 琉球文学の研究概観・琉球文学研究史■■■
第一章 琉球文学の研究概観
 はじめに
 琉球文学研究史
 まとめ
第二章 琉球文学研究史
 概説的な研究
 古謡研究
 オモロ
 短詩形歌謡
 組踊
参考文献・参考論文一覧
初出一覧
あとがき
オモロ引用索引(左開)
索引(左開)