松本和也『昭和十年前後の太宰治ー〈青年〉・メディア・テクスト』(ひつじ書房)

松本和也氏よりいただきました。
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未発選書15
昭和十年前後の太宰治 ー〈青年〉・メディア・テクスト
松本和也 著
四六判上製 2800円+税
ISBN 978-4-89476-427-5
要約
本書はスキャンダラスな生涯に彩られた太宰治という作家について、そのイメージに抗しつつ歴史的な視座から考え直したものである。本書ではデビュー期にあたる昭和十年前後に注目し、〈青年〉という歴史的な主題をクローズアップしながら多角的な検討を行った。具体的には、芥川賞事件や青年論ブームといったトピック、あるいは「道化の華」や「二十世紀旗手」などの小説を軸に、太宰治に関わるメディア/テクストの精緻な分析を試み、昭和十年前後の太宰治を根底的に描き直すことを目指した。
目次
序 ”太宰治”へのアプローチ–太宰神話・青年・戦略
第I部 〈太宰治〉はいかに語られてきたか
第一章 〈苦悩する作家〉の文壇登場期–メディアの中の作品評・失踪事件
第二章 〈新しい作家〉の成型–第一回芥川賞と氾濫する作家情報
第三章 青年論をめぐる〈太宰治〉の浮沈–「ダス・ゲマイネ」受容から
第四章 「同じ季節の青年」たること–「虚構の春」をめぐる作家情報/作家表象
第五章 〈性格破綻者〉への道程–『晩年』・「創世記」・第三回芥川賞
第II部 〈太宰治〉の小説を読む
第六章 反射する〈僕–君〉(シフター)、増殖する〈青年〉–「彼は昔の彼ならず」
第七章 黙契と真実–「道化の華」
第八章 小説の中の〈青年〉–「ダス・ゲマイネ」
第九章 〈青年〉の病=筆法–「狂言の神」
第III部 〈太宰治〉、昭和十年代へ
第十章 言葉の力学/起源の攪乱–「二十世紀旗手」
第十一章 再浮上する〈太宰治〉–「姥捨」受容と昭和十三年