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2009年1月26日

 記事のカテゴリー : いただいた本・送られてきた本

●三田村雅子著『記憶の中の源氏物語』(新潮社)

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三田村雅子氏よりいただきました。

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記憶の中の源氏物語
三田村雅子/著

日本人は本当に源氏を読んできたのか? 日本文化の根幹に迫る話題作!

平安末から近代まで、日本人は、源氏をどのように読み、利用してきたのか。源氏を愛するあまりに本を焼く女たち、源氏を筆写する天皇たち、「光源氏は私だ」とばかりに権力を簒奪する武将、各地に源氏文化を運ぶ連歌師、「偐紫」に熱中する江戸庶民......。本文(テクスト)から遠く離れて、「記憶」の中で継承された源氏物語を追跡する画期的論考。

発行形態 : 書籍
判型 : A5判
頁数 : 510ページ
ISBN : 978-4-10-311011-8
C-CODE : 0095

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はじめに――物語は誰のものか?
 豪華本の製作/物語の原点に立ち返って/『紫式部日記』から宇治十帖へ

■I 男と女の源氏物語
○写す「私」・語る「私」
更級日記の少女/音読と黙読/「本」の私有と共有/美福門院加賀、「本」を焼く
○白拍子と権力者の「庭」
源氏供養の場/実材母の罪障意識/公経の源氏幻想
○「証本」はいかに樹立されるか
藤原定家の青表紙本/源氏物語諸本の持ち主たち

■II 青海波舞の紡ぐ「夢」
○天皇と中宮の青海波
康和の末年/光源氏の青海波/若き天皇堀河の青海波/中宮篤子の風流/熱狂の伝播/篤子の退場と前斎院令子の登場
○藤原頼長の青海波
疎外された摂関家/頼長政権の表と裏/仁平の御賀の構造/師長の流離と青海波
○安元御賀の「花の姿」
時代の曲がり角/師長と兼実の青海波/平家の栄華/滅亡と流離の〈神話〉から
○後嵯峨院の源氏物語
皇統の交替と後嵯峨の即位/後嵯峨の王朝復古演出/舞人の衣装/蒙古襲来の予感の中で
○後深草院二条〈源氏〉を生きる
『とはずがたり』の時代/兄と弟の確執/源氏物語再演/亀山院との情事/秘密の恋幻想/「有明の月」との禁断の恋/北山准后九十賀の世界/涙ともなふ滝の音
○帝王後醍醐の〈夢〉
後醍醐の皇位継承/元徳三年の北山行幸/帝王後醍醐の演奏と唱歌/倒幕の烽火として
○後醍醐の〈跡〉・足利義満の青海波
中宮禧子の安産祈祷の中で/「代々のみゆきの跡」/足利義満の源氏物語/稚児たちの青海波
○義満は天皇になろうとしたのか?
義嗣の登場と躍進/笙を吹く三人/女院御所としての北山
○青海波ふたたび
足利義持の源氏伝授/義教の青海波/天下人の祭り、二条城行幸/水の祭典/家康を祀る青海波/プリンス源氏の物語

■III 分裂する天皇家の源氏戦略
○『嵯峨の通ひ』の源氏物語
嵯峨山荘の源氏集中講義/阿仏尼と為家の源氏物語/『弘安源氏論義』の「源氏の聖」/蒙古襲来との重なり
○光かげる王権
阿仏尼はなぜ非難・排斥されたのか?/女の学問/伏見院宮廷の源氏享受
○「抜書」は王者のふるまい
天皇の書いた源氏物語/伝伏見院筆「源氏抜書」/宿り木の蔭/薄雲の冬/「源氏抜書」の思想
○灌頂の巻として
天皇たちの「物語」/「光」の皇統/彩られた紙の謎/後花園天皇の源氏灌頂/近世の享受
○南朝王胤の源氏物語
戦と流浪の日々の中で/後醍醐・後村上の源氏学/帝王後醍醐の源氏幻想
○『河海抄』の求めようとしたもの
「なずらう」という方法/『河海抄』の「准拠」の思想/天皇幻想の中の『河海抄』/四辻善成の皇○位継承願望

■IV 戦国乱世の源氏物語
○応仁の乱のさなかに
「先例」が無効化される時代/一条兼良の『花鳥余情』/失われた「本」/源氏ブーム再燃/兼良の読者と聴衆
○周防大内家の源氏物語
大内政弘と一条兼良/東アジアへの窓口として/政弘の大内文庫/「本」の復元に向けて/複本作りと活字文化
○源氏読み比丘尼祐倫
源氏読み比丘尼の登場/比丘尼祐倫の源氏注釈/秘伝の流通
○宗祇と戦国大名たちの源氏物語
商人宗祇の源氏物語/「文字読み」の試み/実隆の源氏物語写本売却/織田信長の洛中洛外図屏風と源氏屏風
○信長・秀吉・家康の源氏物語
戦国覇王の源氏物語/秀吉の天皇崇拝・源氏憧憬/慶福院とは誰か/秀吉の「源氏供養」/徳川家康の源氏伝授/源氏読みの女と家康

■V 太平の世の源氏狂い
○桂離宮の夢
天皇になれなかった皇子、智仁親王/源氏物語の「庭」/智仁親王と後陽成天皇の源氏物語
○源氏絵の「天皇」
見えない天皇と「源氏」/岩佐又兵衛の源氏絵/源氏絵の時代/後陽成と近衛家の源氏画帖
○出版文化の波に乗って
すべては「絵本」から始まった/『絵入源氏物語』の「絵」/源氏物語のメディア・ミックス/衣装の模様から
○柳沢吉保と町子の源氏の庭
柳沢吉保の「後宮」/正親町町子の源氏の庭/柳沢吉保の源氏幻想
○老中松平定信の「恋」
源氏物語七回書写/「今は恋」/浴恩園の日々/女たちとの交情/「浴恩園」の名
○光格天皇と宣長の時代
お蔭参りの玄関口で/「もののあはれ」の発見/天皇制イデオロギーの担い手/光格天皇という人
○『偐紫田舎源氏』が切り拓いたもの
読書人口爆発の風を受けて/「お家騒動もの」として/女たちのお宝物語/ファッション、インテリアの提案/天保の改革の嵐を受けて
○錦絵と雛の「天皇制」
気分は「源氏物語」/皇女和宮の降嫁という「物語」/皇后と明治天皇の「近代」/雛たちの源氏物語

■VI 近代化の波の中で
○維新・変革期の源氏物語
雛の凋落/皇国史観の源氏物語/「貞淑」な紫式部という言説/教育の場のセクハラ言説
○いくさの日々に
女々しい「源氏」の排斥/「うた」の天皇制/外圧の力・翻訳の力
○戦中・戦後の谷崎源氏
現代語訳はなぜ必要か/国宝指定と『源氏物語大成』/「紀元は二千六百年」/検閲の中の谷○崎源氏/「源氏物語」を抱き締めて

■おわりに
天皇と皇子たちの源氏物語ふたたび/「黄金の庭絵巻」の発見から

あとがき
参考文献目録


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