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2008年5月24日

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●【増補版】万葉歌が書かれた木簡が、紫香楽宮(しがらきのみや)跡(宮町遺跡)から出土(新聞各紙)

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【国語・国文学研究者コメント抜粋(50音順)】

●乾善彦・関西大教授(国語学)
□「難波津の歌は中国の隋唐時代の書風。安積山の歌はその前の六朝時代の書風。教養として歌の上達を目指したレベルの高い官人が別々に書いたのだろう」と推測

●犬飼隆・愛知県立大教授(国語学)
□「難波津の歌は、オリンピックの国歌斉唱のように公式行事でお祝いをする歌。安積山の歌は、女性が自分の気持ちを伝えるための言葉遣いを勉強する歌。文学作品として面白いので万葉集に入ったのだろう」
□「音で伝わってきた歌を万葉仮名で木簡に書き写し、漢字という文学的な衣装を着せて万葉集が成立する。最古の歌集が編集された筋道が見えてきた」と、成立の謎の解明を木簡に託す。

●上野誠教授(万葉文化論)奈良大
□「人々の間に広まっていた歌が書き記され、歌集になるという万葉集の成立過程を明らかにする上で極めて重要な発見だ」
□「万葉集の原本は見つかっておらず、これまでの研究はいわば写本の比較にとどまっていた。今回の発見は、人々の間に広まっていた歌が書き記され、歌集になるという万葉集の一連の成立過程を明らかにする上で極めて重要な発見だ。」
□木簡の2首は「歌の父母」とされた手本。「当時の役人は、日本固有の名前を万葉仮名で表記する能力が求められた。2首の手習い歌を人に読んでもらって書き取る練習をしたのではないか」と想像する。

●小川靖彦・青山学院大教授(日本上代文学)
□「天平年間までさかのぼる、万葉集の木簡が見つかったことは、大変興味深い。儀式や宴会の場で使われたものだろう。『古今集仮名序』で『和歌の父母』と記された2つの歌が、セットであったことにも意味がある。難波津の歌は仁徳天皇という古代の聖帝を象徴し、安積山は東北地方という空間を象徴すると考えられる。『和歌による時間と空間の支配』といった観念がこの時期にすでに芽生えていたとすれば、驚きというしかない」

●坂本信幸・奈良女子大教授(万葉学)
□「2首がペアになったのは家持たちの政治的意図が働いたのではないか」と推測

●中西進・奈良県立万葉文化館館長(国文学)
□「万葉集編集の材料として、木簡も使われていた可能性がわかった。転写を重ねてできた平安時代以降の写本での仮名遣いが、木簡の文字との比較で正確だったことが明らかになった意義も大きい。万葉集研究のうえで重要な史料だ」

●村田正博・大阪市立大教授(国文学)
□「次代を担う宮中の子女教育として、天皇家の一つのルーツを示す難波津の歌を習わせた」とみる。
□「難波津の歌は、繰り返し咲く花で天皇家の繁栄を表現した、明るい気分にしてくれる雑歌中の雑歌。安積香山の歌は相手への深い思いを伝える相聞歌で、子供に和歌を教えるための歌としては適している」と2首がセットになった必然性を説明。「幼い子がおけいこしている場面が伝わってくるよう」と、木簡が生み出す情景を表現した。
□「難波津の歌はいわば公の歌。宮廷の歌会に出席した人物が、この歌が書かれた木簡を持ち帰り、裏に安積香山の歌を書き加えたのでは」と推測。

●毛利正守・武庫川女子大教授(古代国語学)
□「歌は最初から、日常的には万葉仮名で書かれてきたことを裏付けた」と興奮を隠せない。その上で、「万葉集の巻16のころまで、木簡では読みやすい万葉仮名、歌集では中国の漢詩集にならって視覚的に意味がわかる訓字と、歌の表記法が使い分けられていたことを示している」と指摘する。

●山崎健司・熊本県立大教授(日本古代文学)
□家持の年齢などから判断して、紫香楽宮が万葉集編さんの舞台とは考えにくいとしながらも、「ほかに歌木簡が見つかればその可能性も出てくる」と話している。

●山崎福之教授・京都府立大学
□「木簡はこれが万葉集だ、という原史料。残された最古の写本さえ300年も後のものだけに、編集当時はどの音にどの漢字を当てたのか、明確には分かってはいない。今後大きな議論になっていくだろう」と、発見の意義を説く。

【テレビ】
●万葉集の歌を記した木簡 発掘(NHK)

●出土した木簡に"万葉集の歌"〜滋賀・甲賀市(MBS)

●滋賀県の宮町遺跡で8世紀中ごろの木簡が出土 万葉集収録の和歌記される(FNN)

【新聞】
●余録:万葉歌(毎日新聞)

●大阪市立大教授、「削りくず」一転大発見・万葉集の木簡(日経ネット)

●木簡に万葉歌 編纂前に墨書か(読売新聞関西)

●ひと:栄原永遠男さん 木簡に書かれた万葉歌を初めて発見(毎日新聞)

●クローズアップ2008:万葉歌、初の木簡 古代の和歌、新たな響き(毎日新聞)

●万葉歌木簡出土「編纂の筋道見えた」(産経新聞)

●木簡に万葉集の歌 滋賀・紫香楽宮跡 歌集成立解明の手がかりに(産経新聞)

●初出土の万葉歌木簡、万葉集の「原資料」3-1(産経新聞)

●初出土の万葉歌木簡、万葉集の「原資料」3-2(産経新聞)

●初出土の万葉歌木簡、万葉集の「原資料」3-3(産経新聞)

●万葉歌木簡の時代、政情は激動2-1(産経新聞)

●万葉歌木簡の時代、政情は激動2-2(産経新聞)


●【万葉歌木簡】「こりゃ、えらいこっちゃ」発見の瞬間(産経新聞)

●万葉集の木簡が初出土 紫香楽宮、難波津の歌も3-1(産経新聞)

●万葉集の木簡が初出土 紫香楽宮、難波津の歌も3-2(産経新聞)

●万葉集の木簡が初出土 紫香楽宮、難波津の歌も3-3(産経新聞)

●「安積香山...」 万葉集の歌、墨書の木簡見つかる 滋賀(朝日新聞)

●万葉集成立前?に万葉集収録の歌を書いた木簡が出土(朝日新聞)

●万葉集の木簡が初出土 紫香楽宮、難波津の歌も(共同通信)

●木簡に万葉集の歌=収録前の一首、初出土−滋賀(時事通信)

●「歌の父母」2歌、木簡に紫香楽宮跡出土、墨書を確認(京都新聞)

●優雅な歌会「文化首都」示す 紫香楽宮・木簡和歌確認(京都新聞)

●歌木簡:滋賀・紫香楽宮跡で発見 万葉集の成立過程に光(毎日新聞)

●<木簡>万葉集と違う表記で「安積山の歌」  成立過程に光 奈良・紫香楽宮跡(毎日新聞)

●紫香楽宮跡から出土の木簡に「万葉集」の和歌(読売新聞)

●<歌木簡>聖武天皇の前で音読、庭で曲水の宴...膨らむロマン(毎日新聞)


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